氷河期初期世代おばはんの日々うらうら

就職氷河期初期世代のおばさんが時事問題に思ったりすることや、日々のあれこれ

引退、隠居という文化

「オレが死んで喜ぶ奴がいるのか!」
2022年11月5日に新型コロナに感染した後、二階元幹事長(「元」を付けてまで「幹事長」にこだわるか)が腹を立てて言ったとされる言葉である。

・・・大変申し訳ないが、「喜ぶ奴」は相当数いると思う。

と書くと、ちょっと語弊がある。生物としての「死ぬ」ではなく、政治家として「終わる」であったら実際喜ぶ奴はいる。


何しろ、二階さん、御年83歳。1939年(昭和14年生まれ)。
では、1939年とはどういう年だったのかというと。
1.スペイン内戦で、フランコ軍がバルセロナマドリードを陥落。スペイン内戦終結
2.日本で、政府が国民に対し「金製品回収、強制買い上げ」を実施
3.NHKが有線によるテレビ実験放送を公開
4.ドイツがドイツ・ポーランド不可侵条約を破棄
5.ニューヨーク・ヤンキースルー・ゲーリッグが現役引退
6.ノモンハン事件(日ソ国境紛争/ 満州国清朝) vs モンゴル人民共和国
7.独伊軍事同盟締結
8.日本で国民徴用令公布
9.「オズの魔法使い」(ジュディ・ガーランド)がハリウッドでプレミア公開(勿論白黒ね)
10.独ソ不可侵条約締結
11.9月、第二次世界大戦勃発
12.ナチスドイツ、ポーランド侵攻ヒトラー)
13.厚生省「産めよ殖やせよ国の為」で知られる「結婚十訓」を掲げる
14.ソ連フィンランドに侵攻(冬戦争)勃発
15.「風と共に去りぬ」封切


二階さんが生まれたのは、第一次世界大戦第二次世界大戦の狭間。(生まれた年に第二次世界大戦勃発)
上記にあげた15個は、有名でメモリアルなものもあれば、これが彼を作ったのではないか、というものもある。
私が気になったのは、


1.スペイン内戦、日ソ国境紛争、冬戦争、そして第二次世界大戦 
  → 「戦争」という言葉へのアレルギーが「ない」のではないか
2.国民徴用令 → 後の赤紙につながる、国家総動員。彼はそれも「経験済み」という事だ
3.「結婚十訓」 → 「自分にとって大事でない」男は戦地へ送ってしまえ、女はとにかく子供を産め


この3つだ。
そのどれもが、「現代」を生きる者たちにとっては、「してはいけない」「とんでもない」「時代錯誤」なことであるわけだが、それらを「経験済み」な二階さんが躊躇するとは思えない。

というか、こんな時代に生まれた、現在御年83歳の議員が、「古い風習を捨てきれないまま」に、まるで「やけに活躍するゾンビ」のように徘徊している永田町が、そもそもおかしくないか?
新陳代謝が出来る、と言えるのだろうか。


ちなみに、各国の名だたる政治家はどれくらいで引退したのか。(表舞台から去った、という意味合いで)

・オバマ元大統領(アメリカ)	     56歳
・ブッシュ元大統領/息子(アメリカ)	63歳
・クリントン元大統領(アメリカ)	55歳
・キャメロン元首相(イギリス)	49歳
・メージャー元首相(イギリス)	54歳
・サッチャー元首相(イギリス)	67歳メルケル元首相(ドイツ)		67歳
・コール元首相(ドイツ)		72歳
・アデナウアー元首相(ドイツ)	86歳
		


ちょっと書き出してみて、何だか情けなくなってきてしまった。
かろうじてドイツのアデナウアー元首相が政治から退いたのが86歳という高齢になってからだが、特にアメリカ等、早い。
ふと思いついて調べてみたら、ゴルバチョフ元大統領は60歳、現在、ウクライナとの間でドンパチやっているプーチンは70歳・・・

日本の所謂「大御所」と言われる政治家、死ぬまでやるのか??病気になってもやるのか???周りがイエスマンばかりだったら認知症になってても分からないのでは!?!? やっぱりさぁ・・・こんな年齢のおじいちゃんばっかりが権力持ってたら、そりゃあ国民との認識はズレるよね。 だって、第二次世界大戦の時に生まれてるんだよ? そりゃあ、辛酸をなめただろうさ。大変だったこともあるだろう。 でも、「焼野原から日本を復興させた」ってプライドばっかり、エベレストより高く持ってるだけだったら、フェミニズムとか、LGBTQとか、それこそセクハラとかも「なんじゃそりゃ」になってしまうのではないかな。 そもそも、日本には「隠居」とか、「家督を継がせる」みたいな美徳のような訳分からんような風習があったわけで、「家督を継がせる」は意味不明だが(継がせる家督がある家って、なかなかないだろう)、「隠居」ってのは、残していてしかるべきだったのではないだろうか。 「老いては子に従え」もどこに行っちゃったんだろーって迷子状態だし。
自分が相手に言うことを聞かせる時だけ、「昔から~~~」とか言い出すけど、自分が言われることは「もうそんな時代ではない」って、それは子供にも分かるような二枚舌だよ?? 世界は動いている。 日々、新しいものが発明され、また、日々、今まで陰に追いやられていた者が市民権を得ていっている。 勿論、どんなに年をとっても新しいものを受け入れることが出来る人もいるだろう。 しかし、「国」の中枢に、圧倒的に「古き良き時代」を追い求めている人達がデデンと居座って、「こうしとけばいいんだ。昔はそれでうまくいった」とか、「俺がこう言っているんだから、ゴタゴタ言うな」とやっていたら、その国は衰退する。 日本がオワコンになるのなら、それは少子化のせいでも、男女同権のせいでもなんでもないかもしれない。 終わる理由は、「高度成長期の夢をまだ見ている、年老いた男たち」のせいなのかもしれない。
(私は意図的に「男たち」と書いたのは、未だに国の中枢にいる「女性」で、ここまで高齢な人がパッと思いつかないからだ。どなたかいらしたら、教えて欲しい)
だからこそ、まず議員定年制が嫌なのなら、「ご自分から引退、隠居」して下さい。
でないと、議席が空きません。そこには、「現在を生きている」若者が座るべきです。
「現在を生きている」、「現役の」人たちの議員数が少ない限り、日本の衰退は進みます。だって、やっていること、目指しているものが戦前のことなんですから。