氷河期初期世代おばはんの日々うらうら

就職氷河期初期世代のおばさんが時事問題に思ったりすることや、日々のあれこれ

少子化対策してる国で、公園がつぶされる

「公園が廃止になった事にびっくりした」

ネットニュースを見ている人には、「どこの」公園のことかは分かったかと思う。
長野県長野市青木島遊園地のことだ。
そして冒頭の「びっくりした」と言ったのは、まさにクレーマー本人のコメントらしい。

そのコメントに「びっくりした」のはこちらだ。www


この方、某国立大学の名誉教授、男性、そしてクレームの内容からGoogle mapなどを使ってほぼ自宅の絞り込みはされているっぽい。ネット上では、ある程度の人物の特定も進んでいる。
今は現地に行かなくても、調べられちゃうし、「国立大学の名誉教授」だけでもかなり範囲は狭まるものね。


18年間クレームを言い続けた(我慢し続けた)結果がこうなっているわけだが、世知辛い世の中になったなぁ、としみじみしてしまう。


私は完全ド田舎で幼少時代を過ごしたので、住宅地の間に空き地があり、そこで子供たちで遊んでいた。それが当たり前だった。
どこかしらの家の親が様子を見ていたり、垣根越しにご近所の老夫婦がそれを見ており、誰かが転んでケガをした、といった時には「あらあらあら」と誰かしらが出てきて、ケガした子をその子の家に送り届けるか、パパっとケガの処置をして、「おうちでちゃんと手当してもらいな」という感じになっていた。
「空き地で子供が遊ぶ」のは当たり前だった。

 

今思うと、定年退職後だったんだろうなーというようなおじいちゃんが、暇にあかせて凧作って持って来てくれたり、近くの竹林で伐採された中から、竹馬にちょうどいいのを見繕って2つ3つ、竹馬を作ってくれたり、ドングリのコマを作ってくれたり。おじいちゃんが自分の家の庭先で焚火をしたら、「おーい、芋ふけたぞ」と声がかかって、焼き芋をもらったりしたもんだ。
(どんだけド田舎+昔の話か、と思い出して思う。トトロの世界だな)

 

子供が泣き出したり、ケガしたりした時は誰かのお母さんか、近所のおばあちゃん。
子供が退屈してたり、季節的に遊べるものがある時には近所のおじいちゃん。
子供自身が名前を知らなくても、「坂下りた青い屋根のおうちのおばあちゃんに手当てしてもらった」と言えば、親は分かっていたのだろう、高齢家庭ではあまり作らない料理を作った時に、おすそわけ+御礼に行っていたような記憶もある。
(シチューとか、カレーとかね)


勿論、仏頂面のおじいちゃんとかもいたが、あまり怖かった印象はない。
むしろ、子供たちで遊んでいる → 怖いおじいちゃん出て来る → おじいちゃん、どっかにお買い物? → 「ほらよ。みんなで分けな」と、無造作に袋に入った駄菓子なんかをくれる → おじいちゃんありがとーーー → 終了
のようなことがあったのは、うっすら覚えている。
私の家はあまり市販のお菓子を食べなかった家だったので、おじいちゃん(誰だったんだろ?)がくれる駄菓子は嬉しかった。


また、私は家の都合で、数ヶ月に一度、ほぼ1日(朝から、夜7時か8時頃までだったかな)、どこかに預けられていた時期があったのだが、それは幼馴染の家だったり、親同士が知り合いの家だったり、どうしても預かり先がない時には、何度か、近所の老夫婦のお宅で過ごしていた記憶がある。
今となっては分からないが、おそらく子供のいないご夫婦だったのだろう。
幼稚園に上がるかそこらの年齢の私が遊べるものがなく、そこのおじいちゃんが座卓の横に置いていた「道具箱」に目を付け、興味津々でのぞき込んでいたらそれで遊ばせてくれた記憶もある。
色んな種類の定規、長さの違いやら角度の違う三角定規、不思議な形のコンパス等だったような気がするので、今考えると、おじいちゃんはエンジニア系の人だったのだろう。
裏が白いチラシや、新聞紙、カレンダーの裏、子供が「定規を使ってお絵かき」するのにいいものを探してきてくれて、一日そんなので遊んだ気がする。
新聞紙は巨大な折り紙と化したが。

 

そのおじいちゃんはどちらかというと「怖いおじいちゃん」グループだったのだが、私はそうやって預けられていたこともあって、よくお庭(というか、おじいちゃんの家の敷地となっている山)に侵入してグミの木の美味しい実を取らせて(食べさせて)もらったり、焼き栗するためにどうやってイガから栗を出すかを教えてもらったりしたもんだ。
おじいちゃんは別に子供に甘やかすでもなく、子供言葉になるわけでもなく、淡々と相手をしてくれていたのだが、おかげでライフハックを色々教えてもらった気がする。

「あれはキレイだけど、漆だから触ったらかぶれるからな」とか。


クリスマスなどには、折り紙などで作った、今でいうオーナメントを持っていって、おじいちゃん、おばあちゃんと一緒に庭の木(普通の木だ)をクリスマスツリーに仕立て上げる、なんてこともしたっけなぁ。


それが、今では「子供の声がうるさい」がまかり通ってしまうんだな・・・。


本当に、このニュースを見た時には「少子化が」とか、「年金が減った」とかはじゃあ言うなよな、と憤ったが、数日経つとちょっと違う感想も出てきた。


この公園、及び児童館(児童センター)などの建設の時、本当に近隣住民への説明はなかったのか。
子供たちを迎えに来る親御さん達は、本当に車しか移動手段はなかったのか。
うるさい、の対象だったのは「子供の声」なのか、「館内放送」だったのか。
市側は、車のアイドリングへの注意や、入口を移動させたり、植樹する等、かなり対策を取ったようだが、それに対してのクレーマーの反応はどうだったのか。
最終的に「廃止」を決めたのは、一部報道で言われているように、児童の手をひねり上げたりの行為がエスカレートして、子供たちに被害が及ぶことを懸念しての判断だったのか。
一部報道で言われているように、このクレーマーと、現市長に何らかの関係はあるのか。(スポンサー的な立場だったように報道しているものもある)
クレーマーが、「静かな遊び方を考えてはどうか」と直接交渉したのが最終的に市側が諦めたきっかけになったようだが、クレーマーが想定する「公園で遊ぶ子供の静かな遊び」ってのはなんだったのか。(まさか折角の屋外で、座ってゲーム機で遊びましょう、じゃないよね)

 

ボールが庭に入ってきた、とか、花壇を荒らされた、等はクレーマーの方にはお気の毒だと思うが、おそらくあなたも子供の頃にそういう事をしてきたのではないでしょうか。
花火は、想像だが夜遅かったようなので、子供たちには関係なく、地域の中高生・大学生だったのではないかと思うが、場所が「公園」だっただけで全て子供たちと児童センターのせいにしてないか?

ボールで窓ガラスが割れたとか、物損が出ているのなら、市、もしくはこの公園の維持管理にあたっていた児童センターに損害賠償請求すればいいかと思うのだけれど。おそらく、普通に示談として経費から補修させてもらう、という流れになりそうだが。

 


報道で言われていることから類推することと、冒頭のクレーマー本人が「びっくりした」と言っていることを考えると、クレーマーは市側があれこれ対策を取ってくれるから、あれもこれもと付け加えただけ。
市と児童センター側の堪忍袋が切れて「廃止」としたことに、クレーマー本人もびっくり、なのではないか??

「名誉教授の俺様は怒っているのだ」と鼻高々に言っていたのが、「廃止」=「俺の行動が廃止にさせた」=「特定されるかも」と、今頃はシューンとなっている・・・かな??


何しろクレームの内容と、市が改善を繰り返したおかげで、グーグルマップを見ていると、大体このクレーマーのおうちはこれかな?というのは特定できる。
というか、ほぼ1軒しか該当しそうな家はないのだ。

市側は「一部住民に負担強いた」と言っているそうだが、ぶっちゃけ、そんな事例は山ほどある。


前は畑だったところが住宅地になって、にぎやかになった。
突然イ〇ンモール的な商業施設が建って、抜け道をする車が増えてうるさくなった。
マンションが建ってしまって、日が当たる時間が極端に減った。

 

その逆に、小学校から近いところがいいと思って引っ越してきたのに、少子化で小学校が統合してしまって遠くなった。
買い物にも病院施設にも、駅にも便利なところだったのに、水害に弱いことが分かって売り家が増えて、治安が悪くなった。
前は隣の家は静かに暮らしている方だったのでよかったが、次に引っ越してきた方がうるさくて、眠れない。


そんな事はほぼ「当たり前」だ。この狭い日本で暮らしている以上。
そこを、上手くご近所付き合いすることで自分がマジョリティになるか、もしくは公園で遊んでいる子供たちに「ボールはじいちゃんが取ってやるから、ちと待ってろ。ここに花壇作ってるからな」と、「子供を含めた社会との共生」をするか、マイノリティのままクレームを言い続けるか。
色んな選択肢があったわけだ。
積極的に子供にコミュニケーションを取らなくてもいいが、子供から、「ごめんなさい。ボール入っちゃったから取らせて」のようにアクションされた時の返事で、親御さん達の意見も変わるだろう。
「あそこのおじいちゃんちにボール入れちゃったの」と聞けば、何人かに一人は「先日はうちの子が・・・」と、話しかけてくるかもしれない。
「子供はボール遊びが好きだからねぇ。仕方ないね。でも、ここに花壇作ってるから、苗を踏まれちゃうのは困るんよ」のように話していけば、「定年後の男性の孤立化」も防げるのだが、まぁ、考えないだろうなぁ。

 

特に最近のコロナ禍では、子供がマスクを外して遊びまわる場所もなかなかない。親御さんにしてみれば、ここさえ使えれば・・・だったかもしれない。


そのような多様な選択肢の中から、クレーマーは「市・児童センター等」にクレームを入れ続ける、子供を脅す、という選択をした。
その結果が公園の廃止。
公園を使いたがっていた子供たちの両親、学校、そうした当事者を全て敵に回したわけだ。

 

そして、日本の風潮としては「自己責任」←なんにでも使われるパワーワード
ぶっちゃけ、先に説明があろうとなかろうと、「うるさくて耐えられない」なら「借家として貸して、自分は静かなところにでも住めばいい」と返答されるのが自己責任だ。
何しろ、景気の悪さまで「自己責任」にされる国なのだからね。


加えて、ほんっとーーーーーにこのクレーマーが「某大学の名誉教授」だったのなら・・・
一般企業でも、役所でもなんでも、定年退職したり離職した人に、そのおかしな金バッチみたいな肩書就けるの、やめません??
意味ないでしょ。
「ただの無名なおじさん、おばさん、おじいちゃん、おばあちゃん」でいいじゃない。
定年退職してからも「名誉教授」?いらないでしょ。
そういうのがあるから、ヤ〇ザみたいに「俺は〇〇界隈では有名な~~~~」なんて、モンモンもないのに偉ぶった人が増えるんじゃないかな?(名誉教授、ってモンモン入れてたら、別の意味ですげぇ、と思うけど)

 

定年は定年。
退職は退職。

 

「過去の栄光」の肩書を使いまくった挙句に、クレーマーさん宅が迷惑系YouTuber凸されても、あまり憐憫の情はわかないなぁ・・・

迷惑系YouTuberさん達、今回は誰も止めないと思うよ??