氷河期初期世代おばはんの日々うらうら

就職氷河期初期世代のおばさんが時事問題に思ったりすることや、日々のあれこれ

ミソジニー(女性蔑視)って、めんどくさい

Yahoo!ニュースで取り上げられている、「SNSジェンダー問題発信 声上げる女性へやまぬ攻撃」という記事。
私も、このJR大阪駅構内のオンラインゲーム広告について、尾辻かな子さんのツイッターを見て、「うーん・・・」と思ってしまった一人だ。

どういう「うーん・・・」だったのかというと、

 

1.JR大阪駅は出張等でくらいしか利用しないが、写真で見た感じ、普通に人通りの多い駅であり、そこを行きかう人はきっと老若男女、様々な人だろうな、ということ。秋葉原駅の構内にこういう広告があるのは「まぁ、秋葉原だもんね」と思うが、こういう駅にこれは、なんだかムズムズと嫌な感じを覚えた。

 

2.私は漫画、アニメは「好き」まで行くかは作品次第だが、「嫌い」ではない。しかし、かつてのアニメやゲーム等よりもこのいわゆる「萌え絵」は、子供の顔に大人の体、そしてそれを「無意味に」露出度が高くなるようにしている、ということで、これも表現が難しいが、奇形を見ているような気がすることもある。
本当の人間の奇形であれば、別に「あ、多分〇〇病なのかな」と思うくらいで嫌悪感はないのだが(申し訳ないけれど、ビックリする事はある。本当にすみません)、この萌え絵の奇形感に関しては、「可愛いなぁ」とは何故か思えない。
顔だけなら可愛い、とか思えるのだと思うけど・・・

 

3.別に、「公共」でない場所で誰がどんな性癖を持っていようが、何を好もうが、犯罪でなければいいのではないかとは思うが、わざわざ公共の場所で、というのが嫌なだけなのに、どうしてこんなに発言した人(この場合は尾辻さん)が叩かれなければ
いけないのか。
こういった広告を掲示することが「表現の自由」なのなら、「嫌だなぁ」と発言するのは「言論の自由」なのではないか?


尾辻さんへの誹謗中傷がひどくなっていくに従って、何だか余計に考えさせられることが多くなった。

 


このYahoo!ニュースの記事では、同じく吉野家元常務の「生娘シャブ漬け戦略」も取り上げられている。
この元常務の発言も「キモっ」と思ったが、心の中のどこかで、「あー、昔ながらの人なんだな」という諦め感もあった。
でも、私のようにここで「諦め」ないで、外に広めた、この講義を受講した女性は勇気があったと思う。彼女の勇気がなければ、それは講義室の中の「たちの悪い、下品な発言」で終わって、その講義を受講した男性陣は「はっはっは」と笑い、もしかしたら
「こういう考え方、アリなんだな」と若い、これからの時代の人たちが勘違いしたままになってしまったのかもしれないのだから。


尾辻さんへの誹謗中傷、またこの吉野家発言に対する反応等を見ていて、確かにミソジニー女性嫌悪・女性蔑視)を大っぴらに言う人が増えたな、と感じるが、この流れ、どっかで見たぞ・・・と思ったら、女性専用車両男性差別だ」とか、「映画館の
レディースデーは男性差別だ」というような意見だ。
いや、そもそも痴漢がなければ女性専用車両はいらなかったんだが。なら、「男性専用車両」を1両だけ(今の女性専用車両と同じ比率)それぞれ導入して、痴漢しない人はそこに乗って、ってやっても、乗り切れないでしょーが。
偶然駆け込んで、男性専用車両に乗ってなかったら、「この人、痴漢するかもしれない」という目で見られていいの??
なんてことも考える。


レディースデー(特に映画館)は、映画の日割引の次に導入されて、何とか売り上げをあげようという営業戦略だったのだと思うが、今は廃止するところも出てきているし、逆にメンズデーを取り入れているところもある。
しかし、映画館のチケット自体が高すぎるので、映画館で映画を見よう、という人が少なくなっているので、何をしても厳しいんじゃないかとは思う。
プラス、そもそも「何故レディースデー」だったのか、というと、女性の給与が男性より低く設定されていて、映画を見に行こうという女性が少なかったことが原因の一つだった、というのを忘れている人が多いのではないだろうか。


ぶっちゃけ、最近のミソジニー発言や、ミソジニーが根底にある誹謗中傷、こういったものは「男性優位」「男性が得してる」状態から、女性も平等に、という動きに対して、「やだやだやだ!!女が得するなんてズルい!!男の方が偉いんだから!!!」と男性が駄々をこねて脊髄反射的に攻撃しているようにすら、見えてきた。


いくら「こんなに露出させなくてもいいのに。子供も見るのになぁ」と思っても、尾辻さんは「萌え絵撤廃」と抗議したわけではないし、吉野家事件の女性も、そんな発言が飛び出すと思わずに「学びなおし」として受講してビックリ、あり得ない、と伝えただけだ。
女性専用車両も、乗る人もいれば、乗らない人もいる。
私もレディースデーで映画を見に行ったことも、若い頃に何度かあるが、むしろレイトショーで夜の最後の回を見ていた方が多い。
そんなの、人それぞれだ。


女性の中には、「萌え絵は不愉快!!!撤廃!!!」と言ったり、女性専用車両に男性が乗ったら抗議したり(男性が乗ったらダメ、という訳ではない。あくまでお願いベース)する人もいるようだが、私が友人や同僚などとそういった話をする限り、「昔からレンタルビデオ屋にはAVコーナーがあるのは分かってたけど、コーナーをなくせ!とは思わなかったよね」のような意見が一番多い。
痴漢も勿論いたが、可能な限りの防衛、反撃をした子もいる。
娘さんがいる友達は、最近の痴漢はもっと悪質になっているから、子供には女性専用車両に乗るように言っている、とは言っていたが。
(受験生を狙え、なんて悪質な誘いがニュースになってたよね・・・)

 


こうなると、やっぱり多くの男性が「俺の方が偉いから、得して当然」と思われたい、扱われたい、と思っているから、日本のミソジニーはなくならないし、ジェンダーギャップも埋まらないままなのではないだろうか、と思ってしまう。
だからこそ、ちょっとでも「これはなぁ」というような投稿をSNSなどで見た時に、親の仇のように攻撃してくるのではないだろうか。
かといって、男性一人の給与だけでは家族を養えなくなっているのだから女性も普通に社会に出るし、この潮流を逆に戻すことは出来ないだろう。
「じゃあ、昭和に戻しますね」と、「アナタ一人の給料で、私と子供二人、しっかり食わせて、学費も全部出して、家買って車買ってね」と言われたら、絶望する男性の方が多いだろう。

 


それが分かっていながら、「女は男の3歩後ろを歩け」とか、「俺の前に出るな」とか、「男を立てろ」というのなら、それはお母さんにお願いして下さい、となるのが自然だ。
きっとお母さんなら、「ボクちゃんよしよし」してくれるよ?

 


・・・などという事を考えていると、何だか本当に息苦しい社会だなぁ、と思う。
別に、お互い対等に、「人間だものね」とやりたいだけなんだけどね・・・