氷河期初期世代おばはんの日々うらうら

就職氷河期初期世代のおばさんが時事問題に思ったりすることや、日々のあれこれ

岸田首相長男の公用車使用と、そもそものスキル

岸田首相話が続いてしまうが、今度は外遊中の「お土産」騒動だ。


弾丸外遊だったので時間がなく、政務秘書官(息子)に買い物に行かせた(領事館、大使館の公用車で?)という件である。
この騒動の時に、私が真っ先に思い出したのは、私が25歳くらいだっただろうか、ロンドンに出張で行った時のことだ。
遥か彼方の記憶を掘り起こすと、確か2泊3日の出張だったと思う。
ギリギリまでミーティングが入っていたので、ちょっと出歩けるチャンスもなさそうだなーと思っていたのだが、思いがけず最終日の午前中のミーティングがキャンセルになってしまった。
帰国のフライトは現地時間18時とか19時とかだったと思う。
その出張は私自身の部の部長や、設計部長などと一緒だったのだが、部長から、「打ち合わせもキャンセルになったから、出発まで自由にしていいぞ」と前日の夜に言われたのだ。


私は、その前に大学時代に旅行でロンドンに2回来ていたし、ロンドンの地下鉄は日本より分かりやすい。
加えて、ロンドンの地下鉄は日本の東京のJRの路線図とすごく似ているため、ほぼ何線のどこに何があったか、というのは覚えていた。


そこで私は、自由時間出来た!ラッキー!!と、朝早くホテルで朝食を済ませ、チェックアウトも済ませ、戻ってくるから預かってて、とホテルのコンシェルジュにスーツケースをお願いし、身軽な格好でウキウキと出かけた。
地下鉄で1 day passを買い、大好きな大英博物館を楽しみ、偶然見つけた古本屋で探していた本を買い、ハロッズ(まさに政務秘書官が行ったところだな)に部で配る用のお菓子と、家族へのお土産を買い、ハロッズ内のティーハウスで紅茶とスコーンのランチ。
微妙に時間が空いたので(ホテルには15時半集合、と言われていたような)、ハロッズからすぐのハイドパークの芝生の上でリラックスしてから、地下鉄でルンルンとホテルに戻った。


そしたらビックリ。部長達は「無事だったのか!!!!」と大騒ぎだったのだ。
まぁ当時、まだスマホはおろか携帯もなかったが、私は前日の夜に「フリータイムだから、買い物でも行ってきていい」と言われた後、「じゃあ、出かけてきます!」と元気よく(笑)お返事したのは覚えている。
前に、飲み会の時とかに部長に海外旅行の経験などを聞かれて、行った事がある、と返事したのも覚えている。
だから、フリータイム!出かけてきます!!=「時間には戻るので、ガチで出かけてきます」が、当たり前だと思ったのだ。
(勿論、地下鉄とかお土産とかは自腹だし)

 

しかし、部長勢は「明日は経費でタクシーをチャーターして、アイツ(私の事)をどっか連れて行ってやるか」と思っていたらしい。
前日の夜飲んでいたこともあって、部長勢が朝、のんびりと起きてのんびりと朝食をとっていても、一向に私が現れない。(既に出かけてた)
フロントに聞いたら、チェックアウトした、と言われ、「荷物は預かってますよ。戻ってくるからと」とコンシェルジュに言われ、「あいつ、一人で大丈夫か!?どこ行ったんだ!?!?」と大騒ぎになっていたらしい。


一応部長勢もどこかしらに出かけたのは出かけたらしいが、それはホテルに呼んでもらった、経費払いのタクシー。
朝早く地下鉄で出かけた私とは、当然かち合うはずがない。

 

ソワソワと一番年下の部下の安否を心配していたら、当の本人(私)はハロッズの袋を抱えて、ニコニコ戻ってきたのだから部長勢には悪い事をしたと思っているが、・・・出かけていいって言ったじゃーん、が本音だった。
治安が悪い都市ならまだしも、ロンドンの真昼間、まさか私が「一人で出かけられない」と思っていたとは衝撃だった。
どうやって行ったんだ!みたいなことも聞かれたような気がする。地下鉄の1 day passを見せたら(期限内なのでまだ持ってた)、こんなのあるんだ・・・となっていて、逆に私は「何でこれを知らないのか!?」と驚いた。
ロンドンついたら、速攻買うよね、1日乗り放題だし、ダブルデッカーだって乗れるし、安いし・・・というのが私の方の常識。
一方、部長勢にとっては「出張先では俺はオオモノ」的な感覚だったようで、ホテルからオースチンのタクシーで出かけて・・・というのが部長勢の常識だったようだ。
いや、オースチンのタクシーも乗った事あるけど、渋滞したりするし、高いし、地下鉄の方が便利じゃん。

 


一応、「ご心配おかけしてすみませんでしたぁ」(おそらく、語尾は実際こうなっていただろう)とは言ったけれど、なんでそんなに心配するのやら、が分からず、????となっていた私。時代が今だったら、スマホに電話なりがジャンジャン来たんだろうけど、当時はなかったから、こちらとしても仕方がない。
帰国してから両親にその話をしたら、父が「部長さん達は自分で地図見て出かけたりしないタイプなんだろ」と笑っていた。

(父は海外出張中、ちょこっと空いた時間でうまくお土産を買ってくるタイプだった。ミュージアムギャラリーでとか、ふと入った小さなグロッサリーでくるみ割り人形とか。私が本当に幼かった時は、カッチカチで「本当に食べ物!?」というような兵隊さんの人形パンとか、高校の頃には、「山積みになってたから」という事でブライアン・アダムスのレコードとかも買って来てたな。)

 


そんな「ロンドンで部下失踪事件」から1年ほど後に、その時のメンバーの一人の部長さんが、勤続〇周年の特別休暇(1週間くらいだったかな)を取って、「俺はしょっちゅう海外出張してるんだから、任せろ!」と奥さんに言って、夫婦で旅行に行かれたらしい。
確か、ジャマイカとかそんな感じのところだった気がする。
戻られてから、何かの飲み会の時に、「旅行行ったらさぁ、いつもみたいに会社のタクシーとかないじゃないかよ。なんか英語も通じなくて、女房にボロクソ言われたわ」とショボンとしていた。

 

そう。大企業での出張、っていうと、会社があれこれ準備してくれて、現地に着いたら商社の人が待っててアテンドしてくれて、というのが当たり前だったんだよね。当時。
それでもひと月に1度は海外出張に行き、ってやっていると、「俺は海外慣れてるから」と思ってしまうのだろう。
その気分のまま、奥さんにイイトコロを見せようと海外旅行に行ったら、普段やってないことばかりになっちゃって恥かいた、ってパターンだ。

 


そして何故今、こんなことを書いているかというと・・・
私が25歳当時の部長さん課長さん方、おそらく現在60歳~75歳くらいだろう。
そう、岸田首相が65歳。ドンピシャ。
そして息子、翔太郎氏、32歳。
年齢から行くと、スマホを使いこなすデジタル世代な気もするが、自分のどの行動がすっぱ抜かれるかが分かってないことから、ネットリテラシーは「一般人でたまにやらかしちゃう人」レベルかと思われる。(LINEの送り主を間違えて、彼女へのLINEを
他の人に送ってしまう、とかのレベル)


エリートの父と、エリートの息子。
・・・自分で飛行機探してなるべく安いチケット取って、滞在先のホテルを予約して、空港からのアクセスを調べて・・・なんてやったこと、あるのかなぁ?
てか、したことない、やったことない、不安・・・からの、「じゃあ大使館から車出してもらえ」だったんじゃないか、と私は想像している。(安全面から!!と言い張って、いかにもやりそうな公私混同だ)


首相の息子、となるとSPを付ける必要は出て来るかと思うが、大使館員一人とSPつけて、サッとタクシーで行こうと思えば行ける。
それでも大使館側が「ええい、面倒だ!公用車で行かせてしまえ!!」となった可能性も高い。

「血縁関係のない」政務秘書官と、「血縁関係のある」政務秘書官では、SPを付けるかどうか、何人付けるかが変わってくるから、それを悩む時間がもったいない、公用車で行って来い!!


・・・だったんじゃないのぉ??
と、大企業出張オンリーで全てにおいてサポートがついていた出張族を見てきた私は思うのだよ。
「自分で」あれこれ算段してこなすよりも先に、誰かのサポートがついているのが「当たり前」と親子そろって考えていたからこそ、発生したトラブルだし、「頓珍漢な事言う岸田を弱らせよう」の標的になっているのではないか、と。

(てか、息子を政務秘書官にして外遊に連れて行ってる時点で、周りの手間が増えることも考えてないんだろうな)


あなたたちが軽視して、「政治の駒」と考え、「税金を搾り取る牝牛」とでも思っている国民のかなりの人数が、自分だけで航空券を取り、ホテルを取り、現地で英語、もしくは他の言語であれこれと用事をこなし、現地でしか出来ないこと、買えないもの、を
探しだしたり楽しんだりする経験値を積んでいるのですよ。
政府専用機に乗らずとも、「あー、明日どこ行こうかな」と、ローマに滞在している時に「あ、サントリーニ島行きたい」と思い立って、そこから自力で行けるわけですよ。


世襲議員さん達は、「俺は特別💛特権階級💛」と思っているかもしれないが、実際は有事の時にノウハウを持っているのは民間の私たち、国民かもしれないね。
ロシアが襲ってきて、「政治家を出せ!!」と言われたら、国民は喜んで差し出すかも??
この人は残しておくべき、って人だけ隠して、「こちらの世襲議員さん達はドゾー」と引き渡しちゃうかも??
あ、だから防衛費増額!!ってやってるのかな?でも、戦闘機の性能とか、本当に分かってますかー?

 

ちなみにお土産はアルマーニのネクタイだったようだけど(女性閣僚にもネクタイだったのかな?)、ハロッズ限定とかならまだしも、普通のアルマーニなら、別に日本でも買えるけど・・・。
日本から、エリザベス女王のプラチナジュビリーのグッズも買えたけど??


まさか、ネット通販も自力で出来ないなんてこと・・・ありそうで怖い。