氷河期初期世代おばはんの日々うらうら

就職氷河期初期世代のおばさんが時事問題に思ったりすることや、日々のあれこれ

同性婚、別に選択肢が増えるだけじゃない?

松野官房長官が、昨日2日の記者会見で「同性婚制度」に対して「社会全体に影響を与えうる問題」、と否定的な態度を示したようだ。
「社会が変わってしまう課題」とも。

私はそれを読んで、確かに社会に影響は与えるかもしれないけど、それはいい影響なのか、悪い影響なのか、誰にとって悪い影響なのか・・・と、悩んでしまった。
記事では、同性婚導入を困難とする理由を、以下のように上げている。

 

1.親族の範囲
2.権利義務関係の在り方
3.国民一人一人の家族観と密接に関わる問題

 

とのことだ。
へーんなの、と思ってしまうのは私だけなのだろうか?

 

まず、1の親族の範囲
官房長官、これ、まず「親族」に意図的に「姻族」を含めてない??それとも昭和の男だから、「女は婚家に入るもの」と考えてるかな?
えっと、例え異性婚だろうが、結婚した相手の親類は「姻族」です。
自分自身の両親、祖父母、兄弟姉妹、従兄弟(従姉妹)、叔父叔母・・・・・・と、自分と血のつながってる人が親族。(簡単に言うと)
結婚相手の親類、上記と同様に両親、祖父母、兄弟姉妹、従兄弟(従姉妹)、叔父叔母・・・・が姻族。

 

これ、別に「異性」婚でも「同性」婚でも同じだよね?
現状、同性婚が認められていないから片方のパートナーの誰かしらと養子縁組して、「戸籍上兄弟になったけどカップルです」とかが出来ているけど、同性婚ありにしたらそれも必要なくなるから、親族の範囲って逆に簡単にならないか?
むしろ今の方が難しい。
あ、戸籍の配偶者区分が「夫」「妻」になってるからってこと?
うーん、別にそのままでいいんじゃない??
パートナーの間で、「じゃあ俺が妻ってことで」とか、「私が夫にしておくか」とか、決めればいいだけで。
そもそもいらないと思うんだけどね。配偶者区分の「夫」「妻」とか、続柄の「長男」とか「長女」とか「次女」とか・・・。

 

相続の時にーー!!!とかいう人もいると思うけど、相続の時にはどっちしろ原戸籍取らなくちゃいけないから、戸籍謄本、意味ないし。
(てか、いつまで原戸籍残すんだよ・・・・未婚の親族が亡くなった時に相続の手続きしたけど、無駄に金かかって面倒なだけだったぞ)

 


2.権利義務関係の在り方
これがどの部分の事なのか、よく分からないんだな。
扶養義務なのか、子供の監護権のことなのか。相続の権利の事なのか。
ググってみたので、ちょっと考えてみる。

 

「破産法がらみ」
親類の誰かが自己破産した時、次は破産していない親族がその分の借金を担うことになる。
これ、別に異性婚でも同性婚でも変わらないよね?
どっちにしろ、現時点の高齢者(多いのは団塊世代)が破産→子(段階ジュニア=ロスジェネ)だと、子も自己破産するだけだし。(子世代で、親の借金を返せる人が多いとは思えないもんな)
逆だったら、まだ資産があれば払えるのかな?(子が破産して、親が払うケース)

 


「夫婦間の協力・扶助」
これも同性だろうが異性だろうが、変わらないでしょ。
今は夫婦両方とも働いているケースが多いし。加えて、こんなこと言ってても「育児・家事」を夫側が協力してないってのがここまで明らかになってるんだから、既にこれ、瓦解してるでしょ。
経済DVもこれだけ認知されているし、「夫婦は助け合うべき」って、なんか絵空事

経済DVまではスレスレ行かなかったけど、私の元の亭主も、自分と実の親に金使いこんでたから、私は生活費として渡された分で必死こいてやりくりしてたし。(化粧品も、美容院も行けず)
元の亭主の親(当時の義理の親、だな)から、「結婚したら働くな」と言われてたから最初はその渡された分だけで頑張ったけど、やっぱりかなり苦しくて(そんな状態でも元亭主はグルメだったから、食費が落とせなかった)、途中から文句・嫌味言われるの
分かっててパートに出たけどね。

 

つまり、既に経済的にも外の労働力としても内の労働力としても、協力・扶助なんて絵空事なんですわ。

 


「婚姻費用の分担」
これも同性だろうが異性だろうが関係なし。
同性婚をちゃんと認めていたら、異性婚と同じように、どちらかがバックれて、相手が困窮するような状態になるのであれば、婚姻費の請求をすればいいだけ。

 


「子の監護義務」
異性婚で授かった子に関するものでも、例え同性婚で養子縁組で子を持ったとして、その子に関するものでも、平等にすれば問題なくない?
養子縁組と言っても、移民の子を~~とかのケースも出て来るとは思うけれど、国内で今、「仕方なく中絶」となっているケースを、産むのは産んで、養子縁組で育ててくれる人がいるなら、それでよくない?
少子化対策なんでしょ?
なら、同性婚だけど、本当は子供がほしい、ってカップルが堂々と子供を育てられるようにすればいいと思うのだけど。

子供が親の呼び名をどうすれば、なんて言う人もいるかもしれないけど、それはその家庭なりのルールが出来るよ。パパ1号パパ2号とか、おかんとママとか、名前呼びとか。

 


「扶養義務」
これは、生活保護受給のためにお役所に行ったら、お役所が都合よく使うやつですね。それで知っている人も多いかも。
扶養義務照会が入るけどいいんですか?ご親族様に知られてしまいますよ???ってヤツです。(生活保護費を払いたくないからの脅迫に使ってるヤツだ)

 

ただ、これも別に同性婚だろうが異性婚だろうが、関係ないでしょ。双方の3親等以内とかはハッキリしてるんだから。
てかね、これ、「3親等以内の親族」が扶養義務(と言っても拒否権はある)を負う、ってなってるんですよ。
3親等以内。
3親等以内というと、甥・姪が入ってくるのだけど・・・・ここからは実体験です。
私には、未婚で亡くなった叔母がいたんですよ。住んでたのも近所。でですね、若くして癌になりまして、入退院を繰り返し、最終的には亡くなったんですが・・・・
その入退院の介護、自宅に戻れている間の介護、そして葬儀の準備やら実際の葬儀。
ちょっと事情があって、姪であった私がやったんですよ。メインで。
そしたらですね、当時勤めていた会社の規則では「介護休暇の取得は2親等まで」だったんですよねー。
全部、有給です。ハイ。使い切りました。
これ、おかしくない???こうして天下の「お役所」は3親等以内には扶助義務がって言ってるのに、民間は「2親等までね」なのよね。

 

今、これだけ「おひとりさま」が増えてるじゃないですか。
中には、自分はおひとりさまだけど、甥姪がいるからって一応、葬式くらいは出してくれるだろう、と思ってる人もいると思うけれど、多分その甥姪、仕事してたら葬式に「列席」は出来ても、最期の介護とか、看取りとか、手配とかは無理だから!!
いくら「おひとりさま」が、そのために遺言残していたとしても、遺留分を親兄弟姉妹が主張したら、意味なくなるから!!

 

ってことで、扶養義務に関してはまず同性婚だろうが異性婚だろうが関係なし。
但し、政府は民間企業に「介護休暇」やら「忌引き」やらを、3親等まで広げるよう、勧告してほしいもんです。

 


「贈与」
これも、別に異性婚でも同性婚でも同じにしておけばよくない??
贈与税上げるって元々言ってるわけだし、今の団塊世代は辛うじて、いくばくかのものを遺せるかもしれないけれど、それってなんか、最終的には相続税贈与税でなくなっちゃう気がするし。(下手したら赤字だし)

 


3.国民一人一人の家族観
この辺が、政治家(特に男性)が懸念しているところなのかな、と推察。
ぶっちゃけ、「お父さんが稼いで食わせてるんだ、お父さんは大黒柱だ、偉いんだぞ!!!」が単純にできなくなりそうだもんね。別に、民法では男女どっちが「世帯主」になるかを決めるのは自由なんだけどね。離婚して、シングルアゲインになった時から、私は一人戸籍だからずっと世帯主だし、それは姉と同居しても同じだったし(一つの家に複数の世帯主がいてもOKだもの)。

というか、岸田首相含め、そろそろ「俺は大黒柱」って言い切ってた人達は、「ハイ、家庭と育児は全部任せてました。スミマセン」にシフトチェンジしてもいいんじゃないかな。

それこそ親族・姻族付き合い、近所付き合い、子供の学校つながりの付き合いと、コミュ力いるぞー。

両方稼ぎ+家事+育児もアリ、片方が稼ぎ、片方が家事。育児は両方、もアリ、じゃないかな?

 

そしてもう一つ反論として出るのが、一夫多妻(もしくは一妻多夫)の抜け道になるんじゃないか、という懸念があるのでは、思っている。

地方公共団体などが徐々に進めている、同性内縁カップルを「実態があれば、(男女の)内縁関係に準じた保護を受けられる」というような行動が、一夫多妻、一妻多夫の抜け道として使われるのでは、とかの考え方だ。


が!!!

 

ここが一番私が不思議に思うところ。
それならいっそ、同性婚を「法的にも」異性婚と同じく認めれば、逆にそういう抜け道なくならない?
てか、異性婚でも不倫する人は不倫する、婚外子を作っちゃう人もいる。
ひと昔前には、正妻とは別に、同じ敷地内に内縁の妻が住んでる離れを作っちゃう、なんてこともあったのだ。
私は一夫一妻制に私は賛成だし、私自身、元亭主の不倫が直接の原因で離婚しているし(他にも理由はあったけどね)、知り合いで不倫の泥沼に入ってもがいている人もいる。
結婚している友達と久しぶりに話していると、すごく仲のいいご夫婦だなーと思っていたのが、若い頃は旦那はすごい浮気者で、苦労してた、という話を聞いてひっくり返ったこともある。

 

そしてキャバクラもあり、ソープもあり、デリヘルもあり、ネットではAV垂れ流し。
(女性用風俗は、ホストと・・・出張デリヘル、後は女性用AVかな??他にもあるなら知りたいわ)


これだけ風紀が既に乱れているんだから、「同性婚」が国民生活の基本を脅かすとか、家族観に密接に関わる、って言われても説得力ないよー、と思うんだが。
異性婚で既に、子供たちは「浮気をしている父」とか「浮気をしている母」とか、知ってるさ。
そして子供含め、誰にでも「法律ではつながっているけど、この人とは私はもう関係ない」という選択もしている。
所謂「縁を切った」状態だ。
葬式だけは呼んでやる、みたいな。


私は、「家族」ってのは時代時代で形を変えるものだし、その根幹は「一緒にいたいと思うか、その人と過ごしたいと思うか、助け合いたいと思うか」だと思っている。
私自身は義理の親はどうしても好きになれなかったし、あちらは私を「嫁」としか思っていなかったから、家族にはなれなかったな、と思うが、人によっては実の両親よりも義理の両親の方が好き、気が合う、という人もいる。


震災の時などに、「あれだけ嫁いびりしてた姑さんが、自分が死にそうになっても助けてくれた」などという話も聞く。

 

私の親族の中にも、戦争で両親共に亡くなった姉妹を、かなり年上の従姉妹であった人が引き取って、結婚して独り立ちできるようになるまで面倒を見た、という人もいる。
逆に、すごく親しくしていた親戚(ぽい人)の名字だけが違っていて、「結婚、離婚とかで前の旦那さんの姓を名乗ってるのかな」と思い込んでいたら、戦争後、戦争孤児だったその人をうちの親戚が引き取り、子供のように育てたので、実際は血のつながりはなかった、と知って驚いたこともある。

 

家族って、血だけでもないし、戸籍だけでもないんだよ。一緒にいたい、一緒に過ごしたい、一緒に年を重ねたい、って気持ちなんじゃないかな。

 


自民党さん、これだけ「年配」(つーか、お年寄り・・・)が多いんだから、戦後の話とか、耳にしてると思うんだけどなぁ・・・。

 


とりあえず、これだけ考えてみた結論!
「異性婚でも同性婚でも、別に国民生活は変わりません!!国民が幸せになる選択肢が増えるだけです!!」
以上ナリ。