氷河期初期世代おばはんの日々うらうら

就職氷河期初期世代のおばさんが時事問題に思ったりすることや、日々のあれこれ

賃上げ?そんなの私には届かないから関係ないわ

賃金引上げだの、春闘(30年前から形骸化してないか?)だのと世を騒がしている岸田内閣の「賃上げ要請」だが・・・

これを、冷ややかな目で見ている人の方が多数ではないだろうか。
ちなみに、私も冷ややかな目で見ている1人なんだけどね。


そもそもが、日本は一応資本主義の国なので、政府が企業に「強制」して賃上げさせることは出来ない。
あくまでも「出来ればお願いしたい」ベースだ。
なので、企業が「無理でーす」と言えばそこでおしまい。
(しかし、下手な社会主義の国よりもよほど社会主義らしい国になっている、不思議の国ニッポン


その上で考えてみても、賃上げされる順番としては、おそらく
1.男性・正社員・役職なし・定年までまだ間がある人
2.男性・正社員・役職あり・定年までもうすぐの人 ←役職定年で速攻減額出来るから。
3.女性・正社員・役職あり・定年までまだ間がある人 ←賃金男女平等に引っかかってくるから、ここで底上げする
4.女性・正社員・役職なし・て年までまだ間がある人 ←微々たる賃上げでごまかす

ってことになるんじゃないかな、というのが予想。
ここで範囲外になってしまうのが、
1.中小企業で働いているほぼ全員
2.非正規雇用(派遣、契約社員、定年後再契約)
3.定年まで10年を切っている人(60歳定年の会社なら50歳以上、65歳定年なら55歳以上)


ってことなのかな。

とりあえず、非正規、定年間近の人、女性、はほぼ恩恵には預かれないだろう。中小企業勤務の人も。
大手企業に勤めている、男性で、45歳くらいまでの人は恩恵に預かれる可能性はあるだろうが、それって、勤め人の何パーセントなんだろうなぁ。
それくらいで、じゃあ個人消費が底上げされるか?って言ったら、その年代の人たちは自分より上の世代がどう扱われてきたかを見ているから、貯金するだけじゃないかな??とも思う。

 

コロナでバラマキした後、麻生太郎は「給付した分貯金が増えただけ」と言い放ったが、そりゃ当たり前だと思う。
税金は高い(税金+社会保険料が、他国で言われるところの税金だ)、昇給はない、いつクビ!と言われるか分からなくなった中途半端なジョブ制移管、おまけに治安の悪化。
これだけの負の条件があったら、2割くらいは何かに使うかもしれないけど、8割は貯金するだろ。


おまけに、賃上げ対象になる可能性の高い層は、YouTubeやらで盛んに言われている、「団塊ジュニア」「ロスジェネ世代」が高齢者になったら、もっと天引き額が増えるのではないか、とヒヤヒヤしていることだろう。
何しろ、よほどラッキーだった人以外は、団塊ジュニア(私も含む)、ロスジェネ世代で老後資金を貯めることが出来た人ってのは少ないだろうから、そこから生活保護、ってルートの「駅」にいる人数が見えてるものね。


「賃上げ」「ベースアップ」と喜ぶべきところで、私が見ている限り喜んでいる人はあまり見かけない。
想像だけど、政治家は「何で賃上げ!ってブチ上げたのに、誰も喜んでないんだ?」って思っているんじゃないかと思うが、圧倒的多数が「私には関係ない話だな」と思っている時点で、そりゃー誰も喜ばないってことが分からないかなぁ。


賃上げに対して、「自分は多分該当しないな」と、冷笑している国民の方が実数的に上回っていると私は肌感覚で思ってはいるが、確か所得の3割以上が税金になってくると「まだ穏やかなストライキ」が始まり、4割を超えると暴動が起きる、という記憶がある。
日本は、社会保険料分を「税金」と名していないので一瞬分かりにくいが、トータルで税金+所得税で計算すると、既に危険数値の4割ギリギリまで行っている世帯もある。


それなのに何故、日本では暴動も、ストライキも起こらないのか。
私はそれが非常に不思議だったのだが、最近、「大声をあげてストライキをしたり、寒空の下、座り込みをしたりする気力さえ失った国民」が日本人だとも思い始めた。
行動力と体力、そして半年何とかなる原資と言語さえあれば、「海外で働こう」と、不満を言う前に「日本から離脱」していっているのだ。
特に若い層にそれが多い。


元々が、表立って不明を述べたりするのが苦手な国民性であり、「匿名性」でなければ言いたいことも言えない、言わない国民性。
だから、何も言わずに国を去っていく。
日本から人がいなくなるのは、もしかしたら高齢化社会のせいでもなく、少子化のせいでもなく、「静かな離反」の影響も多いような気がしてきた。
最初は「出稼ぎ」的に他国に行き、地盤を作れそうなことが分かったら、徐々に永住手続きを取っていく。
そして、「生母数」も減り、子を成せる年齢の男女共に減り、少子化は加速し、気付いたら「え?こんなに高齢者亡くなってた?」と思って調べてみたら、国民減少は高齢者の死亡だけではなく、そもそも全年代で国民が流出していた、という事態になるのではないだろうか。


そんな事態が照準に入っていても、結局政治家には伝わらない。
ひろゆきほりえもん、成田悠輔が淡々と「いや、変わらないでしょ」と冷笑的に話す内容が「納得」出来てしまう国。
政治家よ、日本はここまで落ちたんだけど、それでもあなたたちは既得権益を守り続けるのかな?
団塊ジュニアが家庭を持てなかった時点で既に試算されていた少子化
それを「ま、何とかなるでしょ」で30年放置したんだから、次の30年で日本人は高齢者しか住んでない国になるのかもな。