氷河期初期世代おばはんの日々うらうら

就職氷河期初期世代のおばさんが時事問題に思ったりすることや、日々のあれこれ

泥酔してる暇があるなら、お皿を洗おう

通勤時や、ちょっとプチ時間が空いた時など、私はネットニュースをよく見るのだが、まぁ本当に、性犯罪が増えたなぁ・・・
それとも、今までは表面化「させて」なかっただけで、被害者がちゃんと言うようになったから非常に目につくようになったのか。
そうすると、加害者が「医者」「教師」「火葬場職員」など、言語道断なものもザクザク出て来たし、63歳が50代女性に対して強制性交等未遂、なんてものが今日も上がっている。
しかもこの63歳、4月4日に別の性暴行で現行犯逮捕されているのに、なんで釈放されてるんだっつーの。


この63歳現行犯逮捕の男性もだが、性犯罪の動機、となると
「酒を飲んでいた」
「欲求に負けてしまった」
なんだか、この二つをしょっちゅう見ている気がする。


私は女なので、「男の性欲はこういうものなんだから仕方ないんだ!!!」と開き直られると非常に困る。
返答に窮するわけではなく、「ならば何故酒を飲んだのか」と、まず聞きたくなる。
自分の性欲が、最近ピークに達しているなとか、そういう自覚ってないのだろうか。認識できないものなんだろうか。ピークに達してるなら、お酒なんて飲んだら余計に理性が働かなくなるような気がするのだが。
それとも、ピークに来ている気がするから「ごまかそうとして」酒を飲んで、泥酔してやり過ごす事が出来る方が多くて、その日は残念ながらやり過ごせず、行為に及んでしまったのだろうか。


「欲求に負けてしまった」という事に関しては、何だか話がモテ、非モテの方につながってしまいそうなのでここは置いておくとして、最近、コロナ禍での自粛終わった!!とばかりに飲みに出ている人を見ていて、別の問題でモヤモヤしているものがある。


そもそも日本人はアルコールを分解する酵素が働かないために、お酒に弱い人が多い、と言われている。
だからなのか、海外旅行や出張に行っている時に「酔いつぶれて」ベンチなどで寝ている人は殆ど見ない。(ドラッグかな、という感じで寝ている人はいる)

私自身はお酒は強い方ではないので、すぐ真っ赤になるし、飲みすぎると気持ちが悪くなるので、大体がビール1,2杯というところ。なので酔いつぶれることはない。
そもそも滅多に飲まない。3か月に1回くらい、のペースだ。
ただ、若い頃から飲まされて泥酔したことはあっても、記憶が飛んだことはない。
逆に、記憶が飛ばないから酔っぱらってやらかしたこと(ストッキングの悪いところだと思うが、座敷とかで飲んでて酔っぱらうと、ストッキングって滑るんだよ・・・)をしっかり覚えているので、後になってからジタバタと後悔するタイプだ。
帰りの電車で寝てしまった事はあるが、さすがに路上やベンチで「寝た」事はない。
気持ち悪くて、体を動かすと吐きそうなので水を飲んで酔いを覚ましていた、という事はある。


しかし、コロナ禍ですっかり見かけなくなっていた「泥酔おじさん」を、最近また見かけるようになった。
やっと解禁だーー!!!という感じで飲み歩いているのかもしれない。
私は、職場近くのカフェ兼レストランにランチに行ったりお茶に行ったりするのだが、そこは夜になるとお酒も出すので、洋風居酒屋、みたいに使っている人も多いらしい。
店員さんとも、客が少ない日はおしゃべりしたりするので、ごくまれーーーに夜顔を出すこともあるのだが、そこで気付いたことは、夜来て、酒盛りしているのは「40代、50代、60代のおじさん」が殆どなのだ。
それと、おそらくその人が連れてきたのであろう若い部下。(これは男女両方いるが)


政府が「異次元の子育て支援」を言い出してから、先日のたたき台が出るまでの間、様々なメディアで「働き方」や「何が問題か」などをやっていたが、その中で印象的だったのがAbema TVで取り上げていた際に、妻のいる男性(100%仕事にコミット出来る)がモデルとなっている、各企業の評価基準(昇進・給与・賞与)などの話になった際、上がつかえているから「今」の現役世代がそもそも昇進しにくいのも問題、となった時に、「50歳役職定年で役職から降りた人は沢山いるはず」という流れになった。


しかし、女性支援の専門家が「じゃあ、その人たちは今どこに?会社で役職から降りたのなら、今度は家庭でもう少しケアワーク無償労働、つまりは家事育児、介護)に貢献できるはずなのに、姿が見えないという話になって、その場で全員が「?」となった場面があった。

 

私もそれを見ながら、「確かに、どこ行っちゃったんだ?」と思ったんだが、泥酔おじさん達を見た時に、「そうか!」と思ったのである。
役職定年、もしくは働き方改革で残業がなくなったおじさん達は、家に帰ると「家事手伝って」や「奥さんの小言」、「自分の実家のことに関して、奥さんからの苦言」、「子供の進路に関しての相談」・・・・そういったものが「めんどくさい」のでどこか、居酒屋でもバーでもどこでもいい、残業をしているのと同じくらいの時間までどこかで飲んだりして、同世代で管を巻いているわけだ!!


そもそもが、それ以前に「平日の自分の家庭の居場所」がないであろう世代。
家では奥さんと子供で既にローテーションが確立されていて、例えば子供は部屋で勉強やらゲーム、たまにリビングに来てお茶お菓子。大人ならビール。
奥さんはキッチンとリビング、お風呂などを往復して家事をこなし、ちょこちょことテレビに目をやったりスマホSNSをしたり。
そのルーティーンの中に、「父親」の居場所はない。


だって、自分が居場所を作って来なかったのだから。
何もしなくとも、テレビの前で巨人戦を見ている父親、というのが平日の父親の居場所だった世代もあるが、その後はバブル世代だ。
仕事~飲み~キャバクラ~~~タクシー帰宅。
なんて人もザラにいただろう。

 

だからこそ、本人は「家事育児、介護」という「家庭の仕事」にコミットする気はさらさらないし、父親がするのはお金を出すことと「家族サービス」として年に一度、旅行に行ったりするくらいの認識しかないのだ。
例えそれが我が子の進路相談(育児)でも、自分の親の介護の相談でも、どう関わっていいのか分からないし、自分に役割が回ってくるのは嫌だから、早く家に帰りたくない、となるわけだ。

これは、コロナ禍でいきなり在宅ワークになって、離婚件数が増えるワケだ!!!

 


そして冒頭に戻るのだが、冒頭に書いた強制性交等未遂の63歳男性が、既婚なのか未婚なのかは分からない。
未婚だったら・・・
63歳といういい年齢なのだから、いいお酒の飲み方をして、節度ある性欲発散法くらい身に着けておいてほしいものだ。
「欲求に負けてしまった」なんてのは、10代、いっても20代までしか認められない「子供っぽい」性欲だと認識してほしい。
自制出来るからこそ、「大人」「成人」なのだから。

 

そして既婚だったら、奥さんとちゃんと「夫婦」に戻ってくれ、としか言いようがない。自分も年を取ったのだから、奥さんも同じように年を取っている。
愛して結婚した相手なら、「今の年齢」での愛し方がある筈だと思うから。
それまでが「仕事・飲み」で、奥さんとの距離感が分からなくなったりしているのなら、もう一度、1から積み上げてほしいと思う。
奥さんがいるのなら、外で泥酔する必要も、いきなり見知らぬ人に襲い掛かる意味もないのだから。

 

ずっと企業戦士で、長時間外で働かなくてはいけなかった。
結果的に、家に居場所がなくなってしまった。
家にいてもどうしていいか分からない。ボーっとテレビを見ているか、スマホを見ているか。片手にストゼロ持って。
自分の父を含め、そうやって働いてきた人を見ているからこそ、今一度、考えてほしいと思う。
子供のいる家庭なら、おそらく既に子供は独立したか、これから独立するかのタイミングだろう。
もしかしたらこどおじ・こどおば化してまだ家にいるかもしれない。それとも、経済的な問題で実家から通勤する、という選択肢を取ったかもしれない。


子供だった子供の未来はもう語れないかもしれないが、大人になった子供の未来は、奥さんと語れるだろう。
自分が年を取って身体がきかなくなったのと同じように、奥さんも若い頃のままではない。買い物帰り、重たい荷物は大変だったりするし、掃除するにも荷物が既に年輪のように重なっているかもしれない。

 

考えてもみてほしい。
50代、60代、70代手前で勤めを終え(運が良ければ)、これからは余生を・・・と言っても、これから先、まだ10年20年あるかもしれないのだ。
その間ずっと、外で飲んだくれて逃げているわけにもいかない。
若い女の尻等追っかければ、我が子からも軽蔑されるのは当たり前だ。
そこから自分で出来ること、奥さんがつらくなってきたことで自分でもチャレンジできることからスタートして、家の中で居場所を作っていかないと、ながーーーい間、居心地が悪いままになってしまうことになる。
居場所は、誰かが作ってくれるわけではない。自分で作るものだ。
そして、「自分で自分のことが出来る」状態ではないと、例えば奥さんが先に逝ってしまった時、もしくは奥さんが入院したり、娘が出産で帰ってきたり、という時に全く戦力にならず、むしろ「邪魔」になってしまう。

 

男性の幸福度が低い理由には、「自分で自分の好物を作って食べることが出来ない」というような、すごく根本的な部分もあると私は思っている。


なので、居酒屋でワーイ、と今飲んだくれている男性陣。
定年前から、今から、自分の居場所を家庭に作って、「家族」の中でふんぞり返っているだけではなくて、「お肉はパパの方が料理が上手だから」のようにやっていかないと。
料理がだめでも、掃除でもいい。洗濯でもいい。
家電を買い替えるチャンスなら、奥さんと一緒にカタログを見ながら、「こっちはこういう機能がある」「それはうちでは使わない」などと、「自分が使う」ことを念頭に入れて相談して、一緒に見に行って買ってくるだけでも、自分の居場所作りになる。

 


今、「若者よ、家庭に帰れ。皿を洗え」となっている現在。
部下に口でだけいうのではなく、自分自身が「家庭に帰って皿を洗って」ほしいと思う。
飲んだくれて駅で暴れたり、外に女を作ったり、最悪な婦女暴行事件等起こしてしまわないようにも。