氷河期初期世代おばはんの日々うらうら

就職氷河期初期世代のおばさんが時事問題に思ったりすることや、日々のあれこれ

FIRE出来たら・・・フランス行きたいな

ネットニュースでパリが出てきて、今日が暑くなりそうな日だったこともあって最後にフランスに行った時のことを急に思い出した。
5年くらい、いやもう少し前か?
海外の女友達とパリで待ち合わせて、パリ+アルザス・ロレーヌ地方の二か所の旅行に行った時だ。
シャルル・ド・ゴール空港待ち合わせで、お互いの国からの到着時間がそこまでひどく離れないように調整して、現地集合という形。
確か、私が先に着いて、2時間くらい空港のカフェで時間をつぶして、彼女が到着する形になった。


フライト自体もなかなか空きがなくて、予約に苦労したのだが、ホテルがこれがさっぱり取れない。
その時は7月。夏だからバカンスでホテル空いてるだろうと高をくくっていたのがまずかった。あまりにも空きがないので、偶然当時駐在していた知り合いに「ディナーおごり一食分」手数料でホテルを取ってもらった。
空港のカフェで友達の到着を待ちながら、なんで夏なのにこんなに混んでるんだ~?と思ったら、私はすごい事を忘れていたのに気が付いた。そう、7月と言えばパリ祭、革命記念日だ!
まさにその当日、7月14日に到着してしまったのだ。
それに気づいた時のあの、「やっちまった」感は半端なかった。
パリ祭での激混みなら、当たり前だ。パレードや花火、コンサートとあちこちで色々なものが開催されるので、街中お祭り騒ぎになる。

どうりでパリの中でも、別にすごく有名なホテルでもなければ、さほど立地がいい場所でもない隠れ家ホテルまで、全部満室だったわけだ。
友達が到着して、久しぶりー!!!と抱擁を交わし、それからタクシー乗り場まで向かいながら「今日、独立記念日なの忘れてたよ」と伝えたら、友達も思いっきり忘れていた。

 

タクシーもなかなか拾えず、それでもかなり疲れていたのでここから電車・・・バス・・・とも考えはしたが、荷物もあるので諦めてタクシーの列に並んでようやくホテルに辿りついた。


7月4日、がアメリカ独立記念日、というのは映画でも結構出て来るのでパッと頭に出て来るが、パリ祭はスカッと忘れてしまっていた。うーん、盲点。
July 14、Quatorze Juillet。
当日に着いてしまったので花火などは見れなかったが、タクシーの中からでも分かるお祭り騒ぎの余韻が面白かった。


パリに滞在していた間は、観光、お散歩、カフェ、お散歩、カフェ・・・・・。
夏場に行くと、ルーヴル美術館の中庭とかにもレストランがテーブルを出してくれるので、陽光を楽しみつつご飯を食べたりできる。暑すぎる日は室内に。
お互い、パリは何度も来ていたので「どうしてもここに行く!」のような旅ではなかったのもあって、お散歩ついでに小さなお店を見て、ひやかしたり買い物したり。
カットソーやTシャツ、タンクトップもお洒落なものがあるので、お値段見てリーズナブルなら購入、という感じ。
焦らない、ほぼスケジュールのない観光だと、「じゃあ、エッフェル塔のライトアップ見て帰ろうか」と、エッフェル塔がよく見えるところの階段でペリエ片手にノンビリおしゃべりを楽しんだりできるのがいい。
その友達とは国籍も違えば、住んでる国も違う。しかしかつては同じ会社の別支店、という形だったので仕事としての共通項も多く、ほぼ家族ぐるみの友達という事もあるので何しろおしゃべりのネタは尽きない。


彼女はシングルマザーだが、自分のご両親と一緒に住んでいるので、息子さんはご両親に預けて旅行に来ていたので、毎日ほぼ決まった時間に電話して、私もそのFacetimeコールに混ざったり。


フランスと言えば食、と思う人も多いと思うが、「フランス料理フルコース」などではなくても美味しいものにありつけることは確かだ。
(但し地元民が行くところの方が美味しいので、下調べが必要な事もあるが。最近では英語で話しかけてもみんな返事をしてくれるようになったけど、私が旅行に行き始めた30年前はフランス語でしか返事をしてくれない人が多かったので結構苦労した。最近ではそれもだいぶ減り、地元民の行くお店でも、英語は通じなくても嫌がられたり、トイレの真ん前の席に案内されることもだいぶなくなってきた。)


カフェでも、前は空いてても通してもらえなかったテラス席に通してもらえるようになったし、朝ごはんなしでホテルに宿泊していたのでホテルの近くのカフェを検索して、美味しそうなところに行ったら、マダムがとても親切にしてくれたり。
東洋人二人が英語で話していて、お互い「なーんか違う」というのが面白かったようだ。(友達は韓国人、私は日本人)
そういう、面白がって世話をしてくれる人がいるカフェやホテルだと、「クロワッサンはこっちから食べるのよ。こっちが頭」とか、硬いバゲットをどうやれば簡単に切れるかとか教えてくれるのが面白い。
フランスのカフェの朝食では、タルティーヌというバゲットにジャムがたっぷり挟まれているパンとクロワッサンの組み合わせが多いのだが、このタルティーヌがなかなか嚙み切れない時もあり、「どうしても口の端にジャムがつく」なんて盛り上がっていたら
食べ方を教えてくれた。
帰りにはしっかりマダムとも写真を撮ったり(スマホって便利!!と思う瞬間)。


こんなにブラーっとした日程だったのは実は理由もあって、この時は私達は旅行のメインとしてはロレーヌ地方に住む友達に会うために来ていたのだ。
その友達も、かつて同じ会社だった同僚で、友達の妹さんに娘さんが2人いるのだが、この2人が日本大好きだったのだ。
娘さん達は3回ほど日本に旅行に来て、私はその時に色々予約を手伝ったり、ドライブに行ったり、「日本語オンリー」のところに連れて行ったりしていたし、「日本での緊急連絡先は私」だったりしたので、是非会いたい、というのが旅の目的だったのだ。


なので、パリのんびり滞在を楽しんでから、私達はTGVでロレーヌ地方へ。
TGVで2時間くらい。駅の売店で買ったコーヒーを飲みつつおしゃべりしていたらあっという間。
駅で降りたら、友達がホームで待っていてくれました。
この、フランス人の友人とはずっと仕事でメール、電話等でのやり取りはしていたけれど私も彼女も事務担当という事で、私がその会社にいた頃は毎日のように連絡をしていたが、お互いに会ったことはなかった。
いつか会いたいね、会えたらいいね、とずっと言っていたのが10年以上越しに叶った瞬間。嬉しかったーーーー!!!!!


長い付き合いだけど、会ったことはなかった友人。お互い年も忘れてキャッキャとはしゃぎ、そこからは観光しつつも、おしゃべりおしゃべり!!
友人の妹さん(日本好きの娘さんのお母さん)と、その旦那さんも途中で参加して、夕方からながーーーーいディナーに。
テラス席で、読めないメニューを説明してもらい、おススメのワインを頂く。
日本+韓国のアジア組は、周りから見たら子供に見えたのかもしれないが、ワインを飲んでいても何も言われなかったので一応OK?
フランス料理をコースで頂いたけれど、ゆったりと長時間かけて食べたので胃もたれすることもなく、ワインに悪酔いすることもなく。
BGMもないところで、人の楽し気な声が聞こえ、傍に川が流れていたのだけど、たまぁに、そのシャラシャラとした水音が聞こえる。
「娘達が本当にお世話になって、ありがとう!!!」と、お父さんもお母さんも、何度も私をハグ。
アジア組が日本と韓国で、私達2人は年も近ければ身長もあまり違わないので、生活習慣とかの違いはあるのかとか、食事の違いは、なんて話にもなったり。


ヨーロッパの7月は本当に日が長いので、「まだ暗くなってないし~」と思っていたら、時間は夜9時を過ぎていたりもする。
なので夕方からの~~~んびりとディナーしていると、本当に時間が分からなくなってしまうのだ。
いい感じにお腹もいっぱい、ワインでいい気分の状態の私達を、「折角だから」と、その街の教会に連れて行ってくれる。
夏場は、教会でライトアップすることがあって、外から見ると中の光が、ステンドグラス越しに素晴らしくキレイなのだ。
ほろ酔い気分で見る教会は素晴らしく美しく、その光が石畳に反射して、じんわりと暖かい気持ちが溢れて来る。
傍には友達。同僚。その家族。
フランスの片田舎で、アジアからの私達を待っていてくれた人達。


その日は、ワインのせいもあっただろうが、フワフワした気分のまま、ホテルでぐっすりと眠った。


翌日はドライブしてワインセラーを兼ねている古城に連れて行ってもらい、帰りに妹さんのお宅に寄って、広い庭でランチを頂いた。
おうちもとても広く、開放的で、日本に遊びに来てくれた娘さんが、「私の部屋を見て!」というので見せてもらったら、並んでる並んでる、フランス語版の漫画が・・・。
背表紙を見ただけで分かる、「りぼん」や「花とゆめ」、「プリンセス」・・・
日本の漫画やアニメが大好き!と言っていたけれど、本当に部屋の壁面いっぱいに並んでいる。彼女のコレクションにもビックリしたが、これだけのものが、フランス語版で存在していることにも驚いた。

 


娘さんと一緒にリビングに降りると、「外よー」の声。
今度は娘さんも一緒に、庭でランチ。庭からはすごくゆったりとした緑が広がっているのが見え、天気も直射日光!!!という感じではない。
テーブルに並べられた沢山のサンドイッチやオリーブ、フルーツ、パテ・・・。
「こんなに沢山。準備させてしまってごめんなさい」とたどたどしいフランス語で伝えると、「私はパンを切ってサンドイッチを作っただけ。他は冷蔵庫からここに直行よ」とにっこりしてくれた。
友達に聞くと、韓国でも大人数になる時はデリバリーやテイクアウト、日本で言うところのお惣菜に、一品か二品、ちょっと作るだけだという。
日本の「おもてなし」の何と非合理的な事か。


また、私がロレーヌ地方に行くときは、「絶対にホテルなんて取らないで、うちに泊まって。娘達も大きくなったから、部屋があまって仕方ないの。あなたも気兼ねなくタバコも吸えるし、問題ないわよ!!!」と言ってもらい、私も、「日本に来ることが
あったら、日本の家は狭いからみんなで泊まってとは言えないけれど、私の一族が使っている最高の日本食レストランがあるから、絶対そこに招待させてね」とお互いに約束し合った。

 

未だに、日・韓・仏のやり取りはFacebookで続いている。
最近の日本のこの息苦しさ、生きにくさを毎日感じていると、「年を取った時に見たい光景」として脳裏に浮かぶのがあのフランスの片田舎だ。
あの、「音も、視界も、空気も」強制されない感覚。
戻りたいなぁ。
そう、私は「戻りたい」のだ。「行きたい」のではなく。
これは感覚的なものなのだが、本当に「戻りたい」。


FIRE出来ることが出来たら、と、とりあえずは夢を見ていようかな。