氷河期初期世代おばはんの日々うらうら

就職氷河期初期世代のおばさんが時事問題に思ったりすることや、日々のあれこれ

長野県の公園(遊園地)廃止、報道加熱とやらなかったこと

長野市の公園廃止の件が止まらない。
ニュースも増えれば、Youtubeでも取り上げるチャンネルが多く、有名人がコメントしたりもあってすごく拡散しているなぁと感じる。

これだけ大々的になってしまったのは、おそらく


1.少子化対策!と言っているのに、子供の遊び場がなくなるという矛盾。
2.まさに「高齢者vs子供+子持ち世帯」という、日本の縮図のような状態になっている。
3.少子化対策のために税金や社会保険料が上がるのはある程度仕方がない、と、なけなしの手取り額を見ながらため息をついている現役世代が、「自分たちより稼いできた」高齢者に対して持っているモヤモヤ、怒りがこの「高齢」「上級」クレーマーに対して怒りそのものとして向いている。(こちらは定年まで保証なんてされていない、税率もとんでもなく高い、これから社会保障のお世話になる世代が我儘言うなって感じ)
4.全てが感情論になっていて、問題がごっちゃになっている。


こういうところがベースになって、問題を大きく浮かび上がらせているのではないだろうか。


もう、YouTuberが周辺の動画を撮るために行っていたり、ほぼ「どの家」に住んでいるか、が特定されているのでその周りをウロウロしている人もいるかと思うが、上がってくる報道を見ていると、本当に色々なことがごっちゃになっているなぁと感じさせられる。


まず、このエリア、小学校から児童センター、保育園が集まっているところに出来た遊園地(公園)という特殊な状況になっていること。
最後に作られたのがこの公園だとすると、やはり近接する住民には事前説明はあった方がよかっただろう、と思う。
クレーマーとなった方が、何よりも声高に言っているのが「説明がなかった」であるので、住民説明会の場は設けておけばよかったのだろう。
もし、クレーマーとなった人が出席しなかったとしても、「説明会に欠席したのは自分」という反論が出来るか出来ないか、は大きな違いだったはずだ。


そしてもう一点、非常に気になったのが、結果的にどの時点でも「交通量のカウント」や、「騒音レベルの検査」を行わなかったという事
このデータがないために、市側もクレーマー側も感情論になってしまう結果となった。


都内では何かしらの建設の現場では、自動的に何デシベルの音が今出ている、というものを表示させる機械を取り付けて工事しているところをよく見かける。
ちょい大き目な一般住宅(二世帯なのかな?)でもそういうものがあったところを見ると、割と出回っている装置なのだろう。
交通量のカウントもあればよかったが、実際に「何時に何デシベル」とか、「最高何デシベルという数値があれば、今回のことがクレーマーの我儘だったのか、「あー、これは無理だわ。市もやっちゃったなぁ」になったかが可視化されたのだろう。
既に廃園が決まり、誰一人使っていない公園となっている以上、もうデータの取りようはないのが残念だ。


この2つのボタンが掛け違ったことが、この問題が大きくなってしまった原因だと思う。

 


保護者からしたら、昨今のこの不審者やらが多い時代、子供が移動する距離が短い(小学校から学童など)事は安心だろうし、「全く関係ない人」が入り込むのは難しい区域になるから、安全度は高いと感じて来ると思う。
(勿論、池田小事件のように完全に中に入り込まれてしまったら無理だが)

 

また、昔と違って今は共働き世帯がこれだけ増えている。
けれど学校などの送り迎え等、子育てが女性に偏っていることもあり、たまにしか行かない「お父さんがお迎え」の時に、お母さんほどには土地勘がないお父さんでも、これだけの施設があれば「どこだっけ??」になることも少ない、という利点もあったかもしれない。

 

教職員の側からしても、見慣れた顔を長く見続けることになるので(長い子だと保育園から小学校卒業までかな)、何かと伝達なども楽にできることもあるだろう。
子供の中に、特別なケアが必要な子がいても、預かっている期間が長いと「注意ポイント」も把握できるので毎回新しい子の「何がダメ」などを覚えなくてもいい、という利点もあったのではないだろうか。


「子育て応援アピール」の出来る行政側、子供を預ける親側、そして近隣住民。
それぞれの意見がぶつかってしまった以上、本来なら「データ」がなければいけなかったのだと思う。

そしてそのデータがなかったことから、クレームしている人のどこまでが「正当なクレーム」で、どこからが「我儘」なのかの線引きが出来なくなった、という事ではないだろうか。


・児童センター、遊園地(公園)の建設の説明がなかった → 近隣住民に告知等をしていなかったなら、正当


・送迎の車のエンジン音(データがあれば正当) → 但し、市は保護者に周知したり、駐車場の位置を変えたり対策はした。


・子供の声がうるさい(データがあればまだよかったが、そもそも「子供の声」は「騒音」に入らないという法令あり) → 但し、遊び方の工夫はした(遊具の移動等)。


・庭が荒らされた → ボールが飛ばないように、植栽するなど、対策はした。しかし、これはクレーマー側が自宅にフェンスや壁を作る等、クレーマー側でも出来る対策はあった。


・花火がうるさい → これはおそらく子供ではなく、中高生などのヤンチャ行為ではないか?クレーム先が違う可能性有。


・公園の景観 → クレーマー側が植える草木を指定した、と報じられているが、これはさすがに我儘の範疇ではないか。


・公園灯の時間変更 → 明るかったのかもしれないが、防犯上の問題とも絡むので、これはグレー。


・児童40~50人が拡声器の号令の下に遊ぶ(データがあれば正当) → クレーム後、これはやめている。


・住環境としてあり得ない。誰も謝ってくれない。 → ありえないかどうか、何に謝罪してもらいたかったのかは不明。


・児童がたてるホコリで車が汚れた → これは我儘の範疇かと。砂埃によって車が汚れる、というのは仕方がない。


・5人程度で静かに遊んでくれるならヨシ → 子供の遊び方を指定してくるのは、さすがにやりすぎ。


・18年間我慢してきた。考えは変わらない → 我慢してきたのは自宅にいた奥さんで、自分自身が被害にあったのは、定年後ではないか。だとすると、奥様の意見をスルーしてきたのは、ある意味クレーマー本人。

 

と、データがあれば正当なもの、グレーなもの、クレームの内容が児童と関係するか分からないもの、さすがに我儘なもの、と混在してしまっている。
本当に、騒音デシベルを計ってさえいれば、こんなことにはならなかっただろうにな、と思って仕方がない。

 


そしてこのクレーマーさん、この特定ワッショイなご時世にこれだけのクレームを積み重ねることの危険性を考えていなかったのか、それも非常に気になるところだ。
子供の手をひねり上げて「ボール遊び禁止」の看板の前に立たせる、というところまでやってしまっているらしいので、「加害クレーマー」として報じられてしまう事にもなったのであろう。

(子供の肩は簡単に脱臼するが、そういうことを知っていたのかどうなのか。そしてそれを教育者、もしくは元教育者がやってしまった、という最悪のパターン)

 


自宅凸して話してみよう、という迷惑YouTuberが出るかどうかは分からないが、遊園地(公園)閉鎖後、そこが何になるのかは分からない。
地主が今回の件をどう考えているのかも分からない。
周りの施設の方々は、いい感情は持っていないだろうからボランティアで掃除しよう、少しは片付けよう、という人が出るかも分からない。
ご近所の人たちが、本当はどちら側についているのか(内心、助かったと思っているのか、折角の公園が、と思っているのか)も分からない。

 

自分の住環境をよくしようとして、「俺の定年後プランを守らねば!!」と声を上げた結果が悲惨なことにならないことを祈る・・・