氷河期初期世代おばはんの日々うらうら

就職氷河期初期世代のおばさんが時事問題に思ったりすることや、日々のあれこれ

トルコでの地震、そしてその土地特有の建築というもの

トルコとシリア国境付近で発生した地震
2月6日、マグニチュード7.8。
9時間後に、最大級の余震としてM7.5の地震が発生している。
(ちなみに東日本大震災の時のマグニチュードは、M9.0。)


トルコは親日国であり、私も旅したことがあるが、非常に親切な人が多かった。
こちらはトルコ語は話せない、あちらは日本語は勿論、英語を話せる人も少なかったが(観光客慣れしているところの人は話せる)、歓迎してくれていることはすごく分かる、気持ちがあったかくなる国だ。
観光地ではわらわらと「買って買って」という人達が集まるが、そこまで「押し付けてきて買わせる」感じでもない。
むしろ、スカーフ売りのおばちゃん等では、あっという間にこちらの頭にクルクルとスカーフを巻いて、「ほら、写真撮りなよ!」と言うようなジェスチャーをし、写真を撮ってから、「ごめんね、買わないんだけど」と伝えても別に怒りもしないし、ニコニコしている。
「似合ってたから、気に入るのを見つけたら買えばいいよ」という感じだ。


私はバスでトルコの観光地+行きたいところをぶらり旅してきた感じだが、「お前は日本人だよな?」と、ヒゲ面のおじさん?おにいさん?に突然聞かれて、「日本人だよ」と答えると、何故か一緒に写真に写りたがる。
私がそこまで時間をかけてトルコに行けたのはもう20年以上前なので、携帯もなく、当然セルフィ―なども出来ないので普通にデジカメで写真を撮るだけなのだが、「住所と名前書いてくれたら写真を送るよ」と伝えても、「いいからいいから」という感じ。
未だに謎だが、トルコに一時期駐在していた友達に聞いたら、「あれはどうも、写真に一緒に写って、自分の事を覚えておいてほしい」的な感覚なんだそうだ。


と、牧歌的な話はここまでにして・・・

 


トルコも地震が多い国なのだが、風土的事情、歴史的事情から、レンガを使った建物が多い。
現時点では鉄骨は入れているところもあるようだが、都市部ではないところでは、もしかしたらまだレンガ作りの建物の方が多いのかもしれない。
私がトルコに行った時、基本バスを使っての移動だったのだが、バス移動というのは「町から町の間」の景観も楽しめる、という利点がある。
なので治安の事もあり、バス旅行ではあまり乗車中に寝ないようにして、景色を楽しんでいるのだが、2階建て、3階建てくらいだとレンガだけの建物を作っている現場もよく見かけた。(鉄骨なしで、本当にレンガを積み上げていく感じ)

 

一緒に旅行していた人と、「これ、地震の時大丈夫なのかな」という話をしたことを覚えている。


2000年前後に、トルコ国内の建物の耐震性能検査、というような学術調査もされているようだが、それで改善していったところは、まず都市部だろう。
何しろ、唯一無二の景観で名高いカッパドキア等は、いまだに洞窟住居に住んでいる人がいる国なのだ。
(新しく住むことは出来ず、代々そこに住んできた人だけ、って言っていたかな)

 

なので、今回の地震の被害写真でも、レゴを一気に崩したような倒壊現場の写真が多い。
かろうじて鉄骨が見えているところもあるが、日本の建築現場を見ている日本人としては、「鉄骨、細い・・・」とか、「H字鋼使わないのか」とか思ったりしてしまう。

 


今、生存限界の72時間が経過したところだと思うが、寒ささえ乗り切れれば、もしかしたらまだ生存の可能性はあるかもしれない。
というのも、この「レンガ」だが、日本の重たいレンガと違って、基本は「日干し煉瓦」なのだ。
これは雨量が少なく、乾燥した地域で使われるもので、粘質の高い泥をコネコネして、四角にして、干せばレンガの出来上がり、だ。
そうすると、他国で「ビルが倒壊した」という時の総重量よりも軽い可能性はあると思う。
(但し、その代わり重機の重さにも耐えられないので、どうしても人力の部分が多くなると思うが)
3階建ての、日本でいうところのアパート的なものが崩れたとしても、上手く家具の隙間に入っていれば、上からかかってくる重さは、他国の倒壊家屋よりも軽いのではないかと思う。

耐震性は弱いかもしれないが、その「軽さ」が生き延びる術になってくれれば・・・と、祈るばかりである。

 

(日本人からしたら、え、レンガ!となってしまうが、逆に日本は木造建築が多いので、欧米の同僚から「木なんてすぐに燃えてしまうのに、何故日本はいまだに木造家屋なのか」という問いを投げかけられる。この返答が上手く伝わったことはないかもしれない。)

 

ちなみに、トルコは地中海に面し、また南にはアラブ圏が広がっていることから、「温暖な」気候を想像する人も多いと思う。
しかし、意外なことに一部、イスタンブール等の地中海沿岸を除くと、冬は氷点下になる国だ。
今回の地震では、トルコ側だけではなくシリアも甚大な被害を受けたと思われるが(シリアは内戦中のため、情報が少ない)、シリアも「中東」でありながら非常に寒い国でもある。


東日本大震災も厳寒の中の地震だったが、生存可能範囲72時間と言われる中、寒さが加わるとその時間が変わってくる。
1人でも多く助かってほしいし、何とか寒さをしのげるようになってもらいたい。
そして、被災地に空爆を行っていると報道されているシリア。
内戦中なのは分かっている。しかし、今は、救助活動を行うべき今は、空爆はやめてほしい。
お願いだから・・・