氷河期初期世代おばはんの日々うらうら

就職氷河期初期世代のおばさんが時事問題に思ったりすることや、日々のあれこれ

ゼレンスキーの存在感

広島G7サミットが終了した。
前もって議題として準備されていて、話し合われた事も勿論重要なのだが、やはり関心も話題もゼレンスキー大統領が全て持って行ったな、という印象だ。
何しろ、「今、この時点で」核の脅威に一番晒されているとみなされているウクライナ
被爆地広島で行われたサミットなので、電撃来日はあるだろうな、と思っていたらやはりそうなった。
(しかしテレビ、生中継するなよ!!あそこでロシアが一発ブチこんだらどうなったんだよ。核じゃなくても、ピンポイントで狙うものはあるし、別にロシアから打ち込む必要はない。中国からも、北朝鮮からも打ち込めるんだから。だから平和ボケって言われるんだよ)


一方で、核の脅威に晒されているのは実は日本、という説も流れている。
私も個人的に、ロシアが核を使うのはウクライナではないんじゃないか、と思っている。

「自分の領土に近すぎる」からだ。


ロシアはウクライナの港や、資源が欲しい。
なのに核を落としてしまったら、数十年は使えなくなる。
おまけに、モスクワからキーウまでの距離は、1000kmも離れていない。キーウ以外の都市を狙うとしても、オデッサのように「そこが欲しいんです」な場所だったり、ベラルーシポーランドに近すぎたりと、実際問題「狙いにくい」。

しかし、例えばウラジオストクから日本を狙ったとしたら、丁度1000kmを少し超えるくらいの距離。
モスクワからキーウを狙うのと、あまり差はないのだ。
しかも海で隔てられているし、欧米諸国とちょっと違う場所(政治的にも、地理的にも)だし、諸外国に向けて「人質」にするのに丁度いいと言えなくもない。
(但し、米軍基地があるのでやってしまったらアメリカが黙ってない、というのはある)


と、考えてはみているが、私の予想が外れてほしいし核兵器は何処の国に対しても使われたくはない。
今回のG7で、各国首脳が原爆資料館を訪れたようなので、是非ともしっかり考えてもらいたいと思ってしまう。
特に、今回バイデンが来日した時、核のボタンを持ち込んでいると思われる写真があり、それもまた緊迫感を増すことになっている。(ただ、核ボタンは随行者が持ち、その際には奪われないように鞄と持っている人を手錠でつなぐという慣習があるとも聞いているので、今回持ち込まれていたとされ、写真に収まっているのがそうなのかはちょっと分からない。)


また、今回も盛りだくさんの議題があったわけだが、被爆地広島で開催したのに、核軍縮が「再確認」で終わったのは残念だった。
(いつも通り、という感じ)
まぁ、G7だけで「じゃあ、もう持たないってことで」と行かないのは分かっているし、G7に入っていない国の核保有の方がいつ使うか分からない点で、危険性は高いとなるだろう。
抑止力という意味で、「こっちにもあるぞ」とするしかないのは分かるのだが、もうちょっとだけ踏み込んだ発言が欲しかった気もする。
それでも、「アメリカ大統領」が原爆記念館の中に入った、というだけでも進歩だろうか。


エネルギー関連や食料問題、ジェンダー、人権、中国台湾問題と、日本に突き付けられた部分も今回は結構盛り込まれたな、という感じはある。
日本は、国連で批准した条約に対して、必要なアクションを取らずにのらりくらりとしてきているのも再三指摘されているので、その部分をチクチクやられたのだろう。
特に、エネルギー、ジェンダー、人権分野で日本が「批准」だけして後は知らん顔、の部分があるので、G7の他国から見ると「いい加減にしろよ」となっても仕方がない。
アクションを起こしたら都合が悪い人達がずーっと政府に居座っているわけだから、批准後のアクションをとるハズもない。
むしろもっと悪化するような気がしてならないので、現状維持で留まってくれればまだ御の字かもしれない。


G7は、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、イギリス、アメリカ、そして日本の7か国、そしてそれにEUが参加する形が取られている。
また、今回インドが参加したように、その時々で特別参加国が増えたりもする。

 

私は、このG7の構成自体が、既に現実に即していないな、と思う点もある。
日本は技術も後進国になりつつあるし、何より国が完全に弱体化している。国民の士気も低い。
イギリスとイタリアも、政情不安と通貨危機に直面している。
アメリカもだ。今回、バイデン大統領は一部会議を欠席して、デフォルト回避のために動いていたようだ。
現在のG7のメンバー自体が、第二次世界大戦戦勝国と、敗戦国であり戦勝国に「よしよし、もう大丈夫だね」と認めてもらった国々、という印象を持ってしまうのだ。
でも、今の世界はこの7か国で回っているわけでは勿論ないし、更に言うなら本当にこれらは今でも「大国」なのか?と思う面もある。


そして今回の集合写真を見ると、ただ一人スーツも着ないで、「いつもの」戦時下の大統領、という服装のゼレンスキーが一番貫禄があり、「私が大統領です。国を代表しています」と、堂々と言える立場にあると思う。
エリート揃いの他のメンバーが何となく頼りなく感じられるくらいなのに、ゼレンスキーはかつては俳優であり、コメディアンだ。なのにそんな経歴等全く感じさせないくらい、彼は「政治家」として立ちまわっている。ここまでウクライナが粘れるとはプーチンは思っていなかったのではないだろうか。


しかし、今何かあって、G7の面々が並んでいて、「私が手を貸します。来ますか?」と言われたら私はゼレンスキーを選んでしまうだろう。
それくらい、この「対ロシア戦」を率いている若きリーダーは力強い。
私は基本的には戦争反対だが、これは侵略戦争だ。
ゼレンスキーにはまだ頑張ってもらいたい。だからテレビ局、中継なんてバカな事するなー!


最後に、隠れた功労者、マクロン大統領に感謝。
戦争が始まってかなりの間、プーチンの長電話に付き合って一人で時間稼ぎをしてくれて、今はゼレンスキーの弾丸移動に助力してくれている。
頭のいい「デキる人」のマクロンだが、ウクライナ侵攻に関しては徹底して裏方に回っているようだ。
本当なら、ドイツのメルケル前首相がまだ現役なら、プーチンをいなしてくれたかもしれないが、退陣した今、マクロン頼みだ。
本当に感謝である。


・・・で、岸田首相は何してるん??