氷河期初期世代おばはんの日々うらうら

就職氷河期初期世代のおばさんが時事問題に思ったりすることや、日々のあれこれ

「若い女性は正社員として雇用しません」を考えてみる

Twitterでの発言から、AbemaTVに取り上げられ、なかなかの波紋を広げている若い女性は正社員として雇用してません」騒動。

この少子化対策真っ最中(しかも異次元?)に、「女性」が「女性」に対してこういう事を言うのは、なかなかすごいなぁと強メンタルに関心してしまったが、AbemaTVでの発言を見ていると、言い方は悪いが「あ、よくいるオッサン経営者の女性版か」と感じた。
それこそ、面接の時に「妊娠の予定は?」とか聞いちゃったり、飲み会の時に「まだ子供出来んのかー?旦那さん、することしてくれてる?」とか言っちゃうタイプ。

それで、後になって「あれ、やばいですよ」と周りに言われて、青くなって釈明するタイプだ。

 

まさに彼女はそんな感じで、ひろゆき「公言したら、世の中悪くなるの分かってます?」とド直球に言われて、しどろもどろに「ツイートに対してはそんなに批判はなくて・・・賛同してもらって・・・」と言うのが精いっぱい、という感じだった。

(ツイートにコメ返しをしてた賛同意見が多かったのは、批判意見は最近書きにくくなっているからだと思うが)

 

私もひろゆきに賛成で、「思ってても公言するのはどうかと思う」と思っている派だ。
自分の会社ではないが、従業員数一桁の会社で人事も、採用もやったことはあるし、加えてどこの会社にいたときにも、産休、育休の人のヘルプに入ったり、ほぼ丸々仕事を引き継いで、二人分をやっていたこともある。

今、今までに仕事で何人の同僚の産休・育休ヘルプをしましたか、と聞かれたら数えられない。

 

そりゃあその間は大変だし、結局自分は子供を持たなかったので「あーあ」という感じではある。
綺麗事を言えば、それでも「無事生まれました!」と連絡が入ると嬉しいし、育休中に赤ちゃんを連れて顔を出してくれたりすると、やはり嬉しい。
会社からの出産祝い金とは別に、それこそオムツケーキとかを従業員一同、みたいな感じで送ったりした後、「皆さんで食べて~」と、お返しにお菓子が届き、それとは別に私個人に「仕事、代理してくれてて本当に有難うございます。頑張って保育園探してます!」と、私がコーヒーやお茶が好きと知っていて、色んなフレーバーのコーヒーセットを送ってくれたりもした。


そりゃ、お返しも嬉しいけど、何より「ヘルプに入ってくれていて有難う」という気持ちが嬉しい。
仕事はキツイが、戻ってくるまでやったるで!!という感じだ。(35歳を過ぎた頃から、「やったるから、安心していい保育園探してね!おばちゃん頑張る!!」という感覚になっていたカモ)

 

そして綺麗事でない事を言えば、私は子供を持たなかったけれど、代わりに持病を抱えることになってしまった。

だからこそ、自分自身がいつ入院になるか、または休職になるかも分からない。その時に、「お互い様だから!」と言ってもらえるように、その時自分が出来る事はしておこう、とお腹の中で思っている。

 


今回話題になったこの社長さんは、今回の騒動に対して「急に休まれると」とか、「周りが大変になっちゃう」とか言っているが、コロナ禍でこの人は何も学ばなかったんだろうか?
陽性になれば、もしくは濃厚接触者になれば、「これから2週間隔離です」とかしてきたのだが。2週間くらいなら何とか、という感じでしのいできたんだろうな、とは思うのだけれど、育休は保育園が見つかるまで、になってしまう場合もあるので年単位になることもある。
それには対応できないから、となるのだろうが、非常にモヤモヤする。

また、これから男性育休も始まるわけだし、どんどんと雇用を流動化させる流れに政府が持って行っている。ぶっちゃけ、女性の方が転職、とか、再就職、に対しての壁はないのかもしれない。一時期、それこそ出産~子供がある程度大きくなるまでは戦線離脱、それからまた働こう!というのが、昔はパート、今は非正規、契約社員、正社員で行われているので、一つの会社にずっと居続けようと思えば続けられている男性の方が、この「雇用の流動化」にビビるのかもしれない。

 

雇用の流動化が普通に行われるようになると、当然「自己退職」も出て来る。

もっといいポジションがあったので、と、「使える人」「出来る人」こそ出て行ってしまう現象だ。雇用を絞った挙句、「この人さえいれば」の要の人がいなくなったら、目も当てられない。

その時、彼女はどうするのだろうか。


女性が女性を差別する、というのは結構あることなのだけど(いわゆるマウンティング。独身おばさんかわいそうねー、とか、子供いないんだーー、とか、うちの旦那は高収入だからーとか。それこそタワマンの何階に住んでいる、とか)、AbemaTVでの彼女の発言を聞いていると、それだけではないモヤモヤ感が拭えなかった。

さくっと経歴を見てみると、まぁご苦労はされてきたのだと思う。
帰国子女で、いじめられ、中卒からパチプロ、その後一念発起して弁理士資格を取って起業。
苦労はしてきたのだろうな、と思うが、AbemaTVで彼女は、「自分は双子の出産の寸前まで仕事して、産み終わってからすぐに復帰した」というような事を強調していたが、それは自分が経営者となることを選んだからであって、もし彼女がどこかに雇用されていたら、普通に産休、育休を取ることは出来ただろう。

 

そして弁理士資格を取ってから起業するまで、どこかに雇われていたという履歴が見つからない。
これはやはり、中卒という事で資格だけでは採用されなかったからかな、とも取れる。
本人は、どうも起業して法人化した方が税金がお得だから、と説明されているようだが。

 

だとしても、弁理士法人とコンサル会社、そしてAmazonのセラーと、今回は新しく飲食も出店、のようだが、起業してすぐに固定費がかかることばかり増やしていっているようで、そこもしっくりこない。
起業したばかりの時は、出来る限り経費を減らし(資本金を残しておくのが最初は大事だ)、売上の目安が立つようになってから固定費(事務所家賃や、人の採用等)が
増えても存続できるか、をキャッシュフローで考え、そして法人税と消費税の観点から売上と経費のバランスを見る。


起業が2022年なので、シェアオフィスもガンガン増えて行っている頃だから、わざわざ自分の事務所を持つ意味もちょっと分からない。
Amazonのセラーは、一時期流行った副業としてのAmazon起業!を思い起こさせる。
(中国・韓国からの買い付け、転売で流行ったな)


・・・何となく、弁理士をとっかかりにして、広げられそうなところに無謀に事業を拡げて(しかもあまり関連性がない)、最終的に雲散霧消するケースや、拡げたはいいが、立ち行かなくなって一つつぶし、また一つつぶし、となって最後は抜け殻のようだが、一応まだ売上は立っている法人格だけが残る、というケースが思い浮かぶ。
これが大きくなれば、M&A!とか、上手く同業同士で手を組んで、とも出来るが、あまりにも広げ方があっちにもこっちにもになっていて、どうなんだろう、とも思ってしまう。

 

私は既に20年以上は経理畑でやっているので、事業廃止を手伝ったこともあるしM&Aもやったことはあるが、その間にこういうケースも漏れ聞いていたし、この目で見た場合もある。
私が勤めていた法人が、M&Aで大企業に飲み込まれたこともある。
その経験が感じさせているのかもしれないが、一気呵成にわーい!!!と事業展開しすぎているからこそ、人材もほぼ関連性のない人材を集めなければいけないので、「グループ内でのやりくり」が出来るようにも思えない。
というか、そこまで人材をそろえるほどの規模にはまだなっていないのではないか、とも思う。


彼女は彼女なりの信念でやっているのだろうし、逃げずにAbemaTV(ひろゆきが出ることも知っていながら)に出てきたところも、根性座ってるな、と思う。
直に経営者ではないが、経営者のサブポジションのような仕事をしてきた私の目から、何となく「不安定さ」がチラチラするところもあるが、時に成功し、時に失敗し、上手に反省し、伸ばしていければ、それはそれで一つの「成功」になるのだから、頑張ってほしいとも思う。


メディア露出したことで知名度を上げよう、と思っての出演じゃないといいな、と思うところと、どうせメディア露出するのなら、髪の色はともかく、化粧はもう少し普通に、というか、あのアイラインの書き方とかはやめた方がよかっただろうにな、と思うのが最後の感想である・・・(なんか、白塗り+がっちりすぎるアイラインでパンダ目+口紅の色が薄すぎ)で、なんか露出を逆にしたガングロメイクみたいになっていたのが残念だった。リモート出演だったから、余計に目元が暗く見えたのかな?)