氷河期初期世代おばはんの日々うらうら

就職氷河期初期世代のおばさんが時事問題に思ったりすることや、日々のあれこれ

LGBT法案、今度はどこまで行くかな?

自民党、前首相秘書官の荒井氏の「見るのも嫌だ」というトンデモ発言からの更迭から、LGBT法案が再度動き始めているようだ。
他でも記事にはなっているが、これ、2年前にも「もうちょっと!」ってところまで行って、ボツった法案なんだよね。
その時には「オリンピック開催国として、通さないといけないのでは・・・」と進めて行って、最終的に自民党預かりでボツ。
今回は、5月のG7サミットまでには・・・というムードだ。


個人的には、何のかんのいって今回もボツになるんじゃないかなぁ、と思っているが、どうなるかな。


私は、LGBT法案可決に賛成だ。
国、というものが国民のために存在するのなら、一人でも多くの国民が「望む」形での幸福を感じるのが一番いいと思う。
その中で、今まで隠さなければいけなかったけど、これからは大丈夫!と、異性愛者だろうが同性愛者だろうが、こんな狭い国の、しかも災害大国に住んでいるのだから、共生していくのが一番いい。

困った時にはお互い様、というのは日本人気質の「いい面」だと思っている。そしてそこには、性別とか、そんなのは関係ない。助けを求めている手があったら、誰であっても掴んで引っ張ってあげなくては。


LGBTに関しては、海外の同僚の中にはカミングアウトしてる人もいたことがあったし(私がその会社から次に転職しちゃったけど)、その人が来日した時に、現場に行っても、ご飯に行っても、空いた時間で彼リクエストの買い物に付き合っても、別に何も
困らなかったし、違和感はなかった。
ご飯を食べながら話している時に、彼のボーイフレンド(その後、結婚したかどうかは分からないんだけど)がこないだキッチンでごそごそ何してるんだろう、と思ったら、出張先から買ってきたパスタの茹で時間が分からなくて、でも言葉が読めなくて(確か、アジアのどこかで買ったって言ってたかな)、読めないっていうのが恥ずかしくてこっそりスマホでググってた、なんて話を聞いて二人で大笑いした。


私も、マレーシアで食べて美味しかったから買ってきた、いわゆるレトルト系の袋料理をさぁ日本で作りましょう、ってなった時に袋に書いてある手順の時間も読めなくて、すっごい困ったことがある、なんて話をしたら彼は爆笑してから、「ボーイフレンドに教えてやろう!お前ひとりじゃなかったって!!」ってその場でメッセしてたっけな。

 

同僚として、友達として、知り合いとして、そして「人」として、幸せに向かって生きる。
それが普通だと思うし、無理せずにそうなればいい、と思う。
「根本的な法律を犯さなければ」だ。


自民党が二の足を踏むいい口実となり、またこの部分では国民側も「うう・・・」となってしまうのが、おそらくLGBTQの中の「T」だと思う。
Tは、Transgenderの頭文字、そう、トランス男性、トランス女性、という感じで表記されたりもしているトランスジェンダーの事。
なかなかストンと来る説明がしにくいところなのだが、

身体と、性自認(自分がそうだと思っている性別)が異なっている

ということだ。性自認、と性志向がごっちゃになっている説明のものも見かけたことがあるが、ここは「性自認」。
性自認=心の性 (自分は男、女、もしくは中性)
なので、性志向 (自分が愛する相手が男なのか、女なのか、「その人」を愛するだけで性別は気にしない、なのか)とは別なのだ。

 


LGBTQの話で一番モメてしまうのがここなのだと思う。
トランスジェンダーを「証明する」方法がない、という点だ。現時点、本人と精神科医の所見による形になっている。
そして、痴漢・盗撮等が多いこの日本、「心は女性」という事にしてよからぬ事をした事件は、「既に起きている」。

 

トランスジェンダーと偽り(男性器あり)、一般社団法人の代表理事が部下の女性に準強制性交容疑。
性自認女性のトランスジェンダーが女性用トイレを使用(性転換手術不明)。建造物侵入の疑いで書類送検
・性転換手術前のトランス女性(男性器あり)が、女性用シャワールームを使用し、トラブルに。
・性転換手術前のトランス女性(男性器あり)が、女性刑務所内で性暴力行為に及ぶ。

 


というのも、トランスジェンダーに関しては、「身体の性」「こころの性」「戸籍の性」「見た目の性」など、様々な要件が混在しているために、「トランスジェンダー」と言えば、なりすましが出来てしまう、というのが問題なのだ。
こういった場合、ただの「なりすました男性」によるトラブル、最悪は性犯罪なのだが、「私の心は女性なの」と言えば周囲が止まってしまうから、それを悪用している形だ。

 

トイレ、更衣室、シャワー、銭湯、温泉、スパ。
男女問わず、デリケートになる場所、神経質になってしまう場所、そして裸身をさらす場所はある。
性善説に立つことが出来れば、「トランスジェンダーでも、同じように使うことが出来れば」と思ってしまうが、これを悪用する人が既にいるところが問題であり、自民党が長らく、LGBTQ法案を「棚上げ」のままに出来たのもこの点なのだろう。(性犯罪が増えてもいいんですか、と言われると相手はグっとつまるもんな)

 

日本は辛うじて、「トランス女性が女性専用の場所に入るには、性転換手術+戸籍変更」をしてないとダメ、としているが、海外ではそれが必要条件にはなっていないところもある。
日本でも、「性転換手術」は不要ではないか、という流れもある。
性転換してしまうと、それは「後戻り」が出来ないからだ。


しかし、後戻りが簡単に出来るようになってしまうと、「男性が男性用の場所で性志向が男性のトランス男性」にセクハラをされる(混乱するな)とか、こちらの方が多いとは思うが、「女性が女性用の場所で、性志向が女性のトランス女性」にセクハラ(性暴力)をされる、というような事が「可能」になってしまう。

しかも、性転換してなかった場合、身体的には男性なので、トランスジェンダーに関係なく、暴行が可能になってしまう。ホルモン治療だけでは、別に性的に不能になるわけではない。

 

つまり、「何をもって性別とするか」もハッキリ定められていないところに、「その人がどちらの性の人を愛するのか」というのも勿論自由なので、考え始めると?????というケースが出てきてしまうのだ。

その状態で、一気呵成に法案を進めてしまう、というのがいいのか悪いのかは、なかなか判断が難しい。


ただ、私としては「LGBTQ全てを網羅する法案」を可決する必要はないのではないかと思う。
もう、これだけ日本がジェンダー、LGBTQ、家族像」に関して「圧倒的後進国であることは外から見たら明らかなのだから、その評価はそれで仕方がないとして、

 

同性婚をOKにする
・LGBTQへの差別を公言、または助長することを禁止する

 

これくらいが、今の日本でも法案として通せるかな、と思っている。
というか、せめてこれくらいは通しておかないと、G7の開催国としてこっぱずかしいことになるだろう、というか。

そして、それぞれの個別案件として出てきたものは、例えば銭湯や温泉であれば、まずは施設側が基準を定められるようにしておく、など、個々の事案を通して「法案」としてはこれから考えるけれど、それまでは誰か「被害者」が刑事・民事で訴訟した時に
皆が意識をアップデートしていく、という(情けなくはあるが)次善の策で行くしかないのではないだろうか。


何故、一気呵成に「今ガッと全部決めてしまえ!!!」という勢いにしないのかは、

「そもそも、女性差別がこれだけ残っている国で、法案のあるなしでLGBTQ差別がなくせるとは思えない」

からだ。


現状、シス男性(男の体で生まれ、性自認も男で、異性愛者)の一部だけが勝ち組となっている日本。
シス男性であっても、「俺が大黒柱」「家事育児は女の仕事」「少子化は女が産まないせい」と言って、自分の責任からは目をそらしている国。
「女房と畳は新しいのに限る」と未だに考えているような国。(畳よりフローリングの家に住んでる方が多いと思うけど)
化学的にも医学的にも、既に「不妊の半分は男性に原因がある」と証明されているのに、「ボクのプライドが認めない」とばかりに若い女を漁りに行く国。

 

LGBTQの皆さん、この国を変えるのはまだまだ時間がかかるので、一緒に頑張りましょう・・・。
少なくとも、最近の海外での報道では、「日本はまだこんな状態です」というような特集がBBCで組まれたりもしているので、外堀から埋めていく作戦しかないかな。
よし、草の根活動だけど、声を上げないよりはマシ。
少しずつ、幸福に生きられる人が増えるよう、祈ると共に頑張るぞー!


あ、トルコ地震への募金してこなくっちゃ・・・。