氷河期初期世代おばはんの日々うらうら

就職氷河期初期世代のおばさんが時事問題に思ったりすることや、日々のあれこれ

アンチフェミって、不幸せになりたいのかな?

Twitterのアンチフェミニズムってすごいなぁ・・・としみじみ思う。
こうやって改変されたフェミニズムに対してバッシングしてくるんだなぁ、とか、いやそれどこの話?でバッシングしてるとか。
私のツイッターアカウントは、フェミニスト枠として認知されてしまっていると思うのだけど、まぁ50の大台にも乗ってることだし、ちょっと考えてみようと思う。


アンチフェミニズム、所謂アンフェが勘違いしてるなぁ、と思うのは、フェミニズムは「女性の権利を爆上げする運動」ではないという事
なんだか、そういう風に捉えている人が多い気がする。
フェミニズム「性別に関係なく、全ての人の平等な権利」を追求する運動なので、「男らしさ」を強いられてツライ、という男性にも自由な選択肢を、また例えば障害を持っていたりする人にも自由な選択肢を、という運動だ。
勘違いしている人は、フェミニズムが「フェミニン=女性らしいこと」を連想させる言葉だからなのかもしれない。
どちらもラテン語の、femina(女性)から来ているから誤解しやすいのかもしれないが。


フェミニストの中にも、「女性だけ」を自由にする運動、と勘違いしている人はいるだろう。
なので、正しい意味を知った上で活動(発言か)した方がいいだろう。
私もたまに、「そーいうんなら、こう言い返してやるよ」的にケンカをわざわざ買ってしまう事もある。これは大いに反省。
「言い返す」ではなく、「こういう事だから、こうした方が、もしくはこうなったらいいと思っている」と出来ればいいのだが、Twitterの文字数制限でなかなか最後まで言えないのが不完全燃焼してしまうところだ。
(なのでこうしてブログ書いたりしているわけで)


そんな中で、最近アンフェが言っている「??」という主張がいくつかある。大きいのは2つだ。
1.労災の数を男女同数にしないと男が損してる
2.男女平等というなら、女性は男性と全く同じ働き方をしなくてはいけない(しかし、出産等は女性のみ)


1.労災リスクを男女同数に
これが流れてきて、私が?となったのは、内容が「女性が労災で顔に被害を被った場合の労災の傷害等級が高い」事への問題提起ではなかった事。
かつての労災の傷害等級では、女性のみ、顔に傷を負った場合の等級が上で、「より被害が甚大」となっていた。
これは確かもう是正のための改正案は出ていて、最新の労災等級表からも性別表記がなくなっているので、性差はなくなっている。私は最初、このことに対して労災での差別、と言っているのだと思っていたのだが、違った。

 

が、Twitterで盛り上がっているのはこれではなく、「男の方が労災に遭いやすい。差別だ」という事のようだ。
確かに、厚労省や健保組合などがまとめている資料では、男性の方が労災による死亡事故の件数(+人数)が多い。
職業的に、重度労災が起こりやすい建設業、運輸業、製造業に従事しているのは男性の方が多いので、そのために労災に遭うリスクも高くなっているのだろう。
ではここで、アンフェが言っているように「男女平等に」というのならば、まず女性がこれらの職業に就きやすくする必要もある。


建設業での労災死亡事故の原因で多いのは、「高所からの転落、転倒」となっているので、まずは大規模建設の現場に女性が採用されるかどうか、を考えなければいけない。
男女で身長、体重、筋肉量、腕力等の違いがあるので、女性の希望者を会社側が採用するかどうかは会社次第になるが、ちょっと調べてみると、会社が女性を採用しにくくなっている理由はちょっと違うところにあるらしい。
企業から上げられているのが、更衣室やトイレが男性用しかない。
既存従業員の、女性に対する意識が浸透していない。
出産や子育てと両立しにくい。(女性目線からだと、流産なども増えそうな気がする)
そして、重労働が多い。
などだ。

 

この、更衣室やトイレの問題は、LGBTQにも関係してくるので、業界でこれから改善されていけば、女性も進出しやすくなるかもしれない。
既に施工管理技士等には女性も進出してきているので、「女性が出来る部分で」徐々に浸透していっている途中なのかな、と思う。

が、個人的に気になるのは、「性犯罪」だ。
上記の「既存従業員の、女性に対する意識が浸透していない」という中にも含まれているのかもしれないが、防犯カメラもない建設現場でごく少数の女性が混ざっている状態で働いていたら、性犯罪が起こる可能性は高いと思う。


製造業(工場内など、労災リスクが高いところ)でも、更衣室やトイレの問題も大きいようだ。
例えばパンの製造ラインのような、女性でも作業が出来るところには既に進出が進んでいるので、更衣室なども既に別々に設置されているが、今までほぼ男性のみ、というような製造ラインの工場に女性を入れるとなると、まず企業側が更衣室やトイレの問題をクリアしないといけない。
私は営業として、工作機械が入っている工場に行っていたことがあるが、その時も「女性用トイレは本館にしかなくて・・・」ということで、広大な工場の敷地内をトイレの為だけに10分以上歩いた事もあった。
この、更衣室やトイレの問題がクリアできて、自動化が進めば(体格差が関係なくなるので)女性ももっと進出していけるだろう。

性犯罪の問題は、もっと入念に考えなければいけないと思うが。
男性同士であっても、性的、もしくは「プライベートゾーン」に関係する犯罪は工場などの中で起きている。
有名になったところでは、いじめとして、肛門にコンプレッサーで圧縮空気を入れて死亡させた、というような事件は発生している。
また、女性が進出したことで、例えば男性へのいじめとして、女性社員がいるところでズボンを脱がす、というようなことが発生する懸念もある。


うーん、なかなか難しい。
でも、難しいのは「女性の労災死亡リスクを引き上げる」事が難しいのであって、そもそも労災での死亡事故がもっと減らせればいいのではないか、と思う。
AIを入れたり、機械で自動化できるところは導入する。
リスクを誘発しそうな「短納期」受注を減らし、安全対策がしっかりとれるようにする。(これには利権も絡みそうだな)
短納期でバタバタと作業すると、慌てて作業するので必ず二人で機械を稼働するところが、一人で行ってしまい、事故にもなったりする。
そういった「事故誘発原因」を減らしていくのが先だと思うのだが、どうだろうか。

 

もし、それでもとにかく男女の労災死亡比率を同じにしろ、という事になると、現在男性が就業しているポストに女性が入ることになるので、そのポストに就いていた男性が他の仕事に就かなければいけなくなる。
とすると、おそらく同じくらい男女比率が偏っているのが介護関係等、ケアワークになると思うのだが、男性はそれでもいいのかな??なんか、嫌がりそうな気もするのだけど。


2.アンフェの言うところの「男女平等」

こちらは、ツイートした本人がレスしているうちにスタンスが分からなくなっているケースも散見されるのだが、言いたいことは男女平等というなら、女性は男性と全く同じ働き方をしなくてはいけない(しかし、出産等は女性のみ)ということのようだ。

男は仕事、女は家事育児という「昭和型」構造に対してフェミニストが物申すなら、「男は仕事、女は仕事家事育児」という小学生が見てもイコールにならないものが、彼らの中ではイコールになるらしい。
すごく好意的に類推すると、「男の仕事はすっごくつらいのだから、女の簡単な仕事+家事育児で丁度釣り合いが取れるくらい」と言いたいのかもしれない。

 

女性管理職登用や、大学の理系への女子枠などの動きに対する反応なのかもしれないし、つい最近、フェミ先進国北欧でも出生率が下がった!!やっぱり女性登用なんて意味ないんだ!!という反応なのかもしれない。

色んなツイートを見て分かることは、「男は大変なんだよ!!!!女とは比べ物にならないくらい大変なんだ!!!!」と言っていることは分かるのだが、正直に言って、どう大変なのかまで書いているツイートがないので、中身は分からない。

 

女性の管理職登用や仕事内容に関して落とし込んでみると、私自身は、転職を繰り返しているのでその会社の規模によって管理職になったり、ならなかったりの状態だが(そこは肩書をつけたがる会社と、そうでない会社の違いというか。私は業務内容と年俸、会社の取り扱い製品などで転職先を決めることが殆どなので、肩書がついていてもいなくても、そこはあまり気にしていない)、日本企業だと中間管理職くらいかな。その目線から周りを見てみると、

 

男性管理職で、バリバリ仕事して、部下も差配して日本法人回して・・・と有能な人ほど、定時、もしくは定時少し過ぎに「じゃあ、俺あがるけど、キリのいいところで帰れよー」とサッパリと帰ってしまうタイプが多い。


もしくは、真逆に外資系にいるのにほぼ英語は話せず、「男だから管理職なのね」ってな感じで、一日窓の外を見てバードウォッチングしてるのかな?というタイプか。


私は今は、ちょい残業して、本社への連絡(時差があるので)などは自宅からちょこっとくらいにして、後は業務時間中に終わらせる事が出来る仕事量なので、非常に気が楽だ。
やっている内容は多岐にわたるので、きつい時期もあるが、ワークライフバランスは取りやすい。
持病やら更年期やらの症状もあるので、今はこれくらいがちょうどいい、という感じ。
バリバリ仕事したかったら、その時はその時で、そういうポジションにあげてもらう交渉をするか、転職するか、という感じだ。
更年期が落ち着いたら考えるかなぁ、と今は思っている。


そんな感じで外資系に身を置いていると、「男だから」つらい、という話はほぼ聞かない。
本社の人達と話していても、そういう話は出ない。
「クリスマスの料理は男が作るものなんだ!!」←おそらく、七面鳥を捌くところからやるようなので、男が張り切っちゃうらしい。
「今日は奥さんの誕生日だから、3時に帰る」
「週末は息子と娘連れて、野球見に行く予定なんだけど、キミ、確か帰国のフライト、日曜の午後だよね?奥さんが、時間あるからお土産買うなら手伝うって言ってたけど、どうする?」とか、そんな感じ。

 

本社に出張中、個別にディナーに誘われると、ほぼ確実にあちらは奥さん連れor旦那さん連れなので、すごく楽しい。
お子さん連れの事もあって、「ラフなレストランになっちゃうけど」と、逆に普段出張中には行かないような家族OKのレストランにいけるのも、物珍しいのもあって楽しい。
うっかり、メニューからこれが美味しそうだな、と思って頼もうとしたのが子供用だったこともある。(爆笑された)
お子さんは、私が「人生で初めて見るアジア人」の場合もあるので、そういう時は「日本はここだよ~」みたいに、スマホで地図を見せて、促されるままに日本の写真を見せてあげたりもする。
「歩いたらどれくらいかかるの?」と一度聞かれ、「いや、途中に海あるし・・・」と面食らった事もある。
ヨーロッパの子供にしてみたら、「陸続きじゃない」という感覚がなかったりする場合もあるんだろう。その時は同僚が
「ずーーーーーっとずーーーーーーっと歩いても着かないと思うよ」なんて言っていた。


まぁ、なんでこんなことを書いているかというと、「男」ってついてるだけで、そこまで大変かな?という事なのだ。
ブルーカラーは分からない。
ホワイトカラーなら、後は頭脳戦なのでつらいかつらくないか、長時間か短時間かはスキル勝負になので、性差はあまり感じない。
私が子持ちだったら違うだろうが、育児はないので、家事だけなら一日やらなくても死なないので何とかなる。平日に出来なかったら、週末にリカバーすればいい。
そうすると、どういう仕事なら「男だから大変なんだよ!!!!!」となるのかが、正直分からない。
職種と、職能など、教えてもらいたい。

 

と、ズラズラと書いてきてしまったが、言いたいのは
「男女共に、その時々柔軟に仕事家事育児をやればいいんじゃないの?」
ということだ。
パートナーを気遣う事が出来れば、そこにあるのは性差ではなくて、体力とか労働(有償無償両方含む)の総量、時間、そんな「有限」のものを融通し合って暮らしていけばいいんじゃないか、という事。

 

社会が、男性一人の給料では家族を養えない状況になっているのだから、パートナーの女性も働いた方がいいだろうし、それなら、「今日はどっちが早く帰れるかな」から、どっちが買い物に行き、夕食を作る、とか、保育園に迎えに行く、とかを割り振ればいいだろう。
「何で俺が家事しないといけないんだ」とブスくれて、奥さんや子供を無視してスマホでゲームして、不機嫌オーラをバシバシ出して家庭内の空気を悪くしてるのなら、「俺は料理はほんとに出来ないんだ」とか、「料理は出来ないから、風呂とトイレの掃除は
俺がやるから」とか、話し合えばいい。
話し合いをしないで、ブーっとふてくされているなら、幼稚園児とあまり変わらない。

大人なんだから話し合えばいい。
体調が悪いなら、それを伝えればいい。「男は弱みを見せられない生き物だから」なんてことに縛られず、「人生のパートナー」である伴侶に相談すればいい。

 

家庭内のことは、お互いの配慮と思いやりで決めることが出来る。
そこに、「世間の」男女差別や「社会の」不平等を持ち込む必要はない。
そしてそれぞれがそれぞれの形で幸せにやっていれば、ネットで女叩きする必要も、男叩きする必要もないだろう。だから、Twitterなどでアンフェをやっているアカウントを見ていると、「この人、そんなに不幸になりたいのかなぁ」と思ってしまうのだ。


・・・違うかな???
私は、そう思っているのだけれども。
だって、「すべての人が幸せに生きる権利」を追うのが、フェミニズムなのだから。