氷河期初期世代おばはんの日々うらうら

就職氷河期初期世代のおばさんが時事問題に思ったりすることや、日々のあれこれ

Chikan、Hentaiはもう国際語になっちゃったんだぞ

Chikan、Hentaiが既にTsunamiと同じように英単語として認知されているという事が、今の日本のおかしさを表していると思う。
日本の外務省のWebサイトには、〇〇国に行く人はこういう事に注意、と言うような注意喚起を出しているが、Chikanは、他国政府のWebサイトに同様に取り上げられている。

Chikan、以外にも同じ痴漢を意味するものとしてGroping、を使っていたりするサイトもあるが、内容は同じだ。

 

イギリスやカナダの政府Webサイトには、「日本に渡航する時の注意点」の中でChikanに言及していて、女性は要注意、という警告を出している。

 

今回のDJ SODAさんの件に関しても言えるが、「そんなカッコしてる方が悪い」「女から誘ってきた」「痴漢されるようなカッコしているのが悪い」と、とかく「性被害に遭ったのは、被害者が悪かったから」となる風潮が気持ちが悪いし、正直、頭も悪いと思ってしまう。


BBCがジャニーズや、日本での痴漢盗撮に関して取り上げてから、海外含め、メディアでも「これ、おかしいんじゃないの?」と記事が書かれるようになってきたが、記事の中に「日本人の奇妙な暗黙の了解」も合わせて書かれるようになってきた。

 

この「暗黙の了解」が、今、性犯罪に関して「認知の歪み」だと言われているものだ。

 

いくつか取り上げてみると、

1.嫌よ嫌よも好きのうち(「No means Yes」と訳されていることが多い。)
2.子供も大人と本気の恋愛をする(だから性行為を「子供が」したがっている)
3.痴漢されたい人はいる。その人を触っただけ。
4.露出した服を着ているから、被害に遭う(だから仕方ない)
5.なんのかんの言って楽しんだんでしょ?(嫌がっているとは思っていなかった)
6.抵抗していなかったから、OKだと思った。
7.「ただ触っただけ」だから、別に犯罪じゃない。(減るもんでもあるまいし)
8.水商売をやっている人は、何かされても傷つかない
9.お金を払っているのだから何をしてもいい
10.犬に噛まれたと思って、すぐに忘れるだろう
11.子供は知識がないから、傷つかない(性犯罪だと思っていないから、大丈夫)

 


ぶっちゃけ、確かに日本ではよく目にするし、耳にするフレーズだ。いや、目に「してきた」、耳に「してきた」フレーズというか。

なのでこれを、被害者になりがちな性別である「女」の私が意見するならば、下記のようになる。
(実例があるものは加えて記載してみます。

 


1.嫌よ嫌よも好きのうち(「No means Yes」と訳されていることが多い。)
  → イヤだって言ってんじゃないか!!!マジでイヤなんだよ!!!!勝手に曲解するな!!!!


2.子供も大人と本気の恋愛をする(だから性行為を「子供が」したがっている)
  → 高校生が、新任の教師を好きになる、はあるかもしれないけど、それで「性行為をしたがっている」はないねー。
  → 実例 「例えば50歳近くの自分が14歳の子と性交したら、たとえ同意があっても捕まることになる。それはおかしい」 2021年、衆院議員56歳の発言。
後に謝罪の上、撤回と言っているが、「厳重に口頭注意した」の後の謝罪発言だ。    

 

3.痴漢されたい人はいる。その人を触っただけ。
  → 性癖としてそういう人はいるかもしれないけど、それなら事前に「その人個人と」合意して、公共の電車ではなく、イメクラ的なところでプレイをどうぞ。
  → 実例 2013年に、痴漢交流サイトで知り合ったとされる女性に痴漢した、という事件が起きている。男性側は合意していたと供述したが、女性側はサイトそのものを利用したことがない、という供述だったため、なりすましかと言われている。その後、49歳の税務署職員男性が女性を装って書き込んだ、と出頭している。
ちなみに、例え合意があっても電車内での痴漢プレイは「公然わいせつ罪」に問われる可能性がある。


4.露出した服を着ているから、被害に遭う(だから仕方ない)
  → PTOに合わない時に注意されるのは仕方ないかもしれないが、「だからといって触っていいとは言っていない」。触っていい体は「自分の体」のみ。例えストリップ劇場に行っても、ストリッパーに触ったら怖いお兄さんにつまみ出されるってことを知らんのか。
そもそも性被害に遭う時、服装は関係ない。どんなに地味な、普通の格好をしていても遭う時は遭う。
性被害に遭った人に対して、服装をどうのこうの言うのは「被害者非難(Victim Blaming)」だ。
  → 実例 2017年、イギリスでThe Survivors Trustという性犯罪被害者サポートネットワークが行ったファッションショー。
ランウェイを歩いたのは、本当に「普通の格好」の人達。そう、このショーのランウェイで着ていたのは、「性被害に遭った時の服」。
今でもYouTubeで視聴可能。「The Guilty Clothes Collection」で検索を。

 

5.なんのかんの言って楽しんだんでしょ?(嫌がっているとは思っていなかった)
  → そんなわけがあるか。怖くてフリーズするのは当たり前だ。お前が犯されてみろ。動けないから。
  → 実例 性被害に遭っている時、体が凍り付いたように動かせなくなる、フリーズするというのは既に精神心理学でも言われているし、実際、被害者の殆どがそう語っている。また、「拒絶すると殺されるかもしれない」という恐怖から抵抗することを諦めたり、又は「おそらく殺されるだろう」と悟った時に「従順に見せれば隙が出来て逃げられるかも」と時間稼ぎをして逃走のチャンスを狙う場合もある。
2013年、アメリカ、オハイオ州で保護された女性3人は、監禁されて性被害にも遭っていたが、この方法で逃走に成功した。

 

6.抵抗していなかったから、OKだと思った。
  → 上の5と同じ。


7.「ただ触っただけ」だから、別に犯罪じゃない。(減るもんでもあるまいし)
  → 他人の体はお前のものではない。触るだけでもダメ。強制わいせつ罪、もしくは迷惑防止条例違反だ。


8.水商売をやっている人は、何かされても傷つかない
  → そんなわけがあるか。小学校からやり直せ。


9.お金を払っているのだから何をしてもいい
  → 例えデリヘルだろうがパパ活だろうが、「何をしてもいい」なんてハズはないのが分からんのか。普通に暴力ふるったら暴行罪だし、本人の承諾なしに録画したら盗撮だ


10.犬に噛まれたと思って、すぐに忘れるだろう
  → 忘れられるか、是非自分も被害に遭って試してから出直してこい。


11.子供は知識がないから、傷つかない(性犯罪だと思っていないから、大丈夫)
  → 子供の頃に「あれは何だったんだろう」と思ったとしても、成長過程で理解するんだよ。それで、明るく「そーだったのか!」になるハズがなかろう。理解してしまった時のショックたるや、想像したくもないレベルだ。

 

 

海外にも、様々な掲示板があるが、今年2023年の刑法改正に伴って、「いかに今まで日本の性犯罪に関する刑法が遅れていたか」が話題に上がり、また「それでも、まだこんなやつらがいるのか!!!」という声も上がっている。
これは文化の違いもあるが、親と一緒に子供が入浴する事自体に嫌悪感を示す人達もいるし、日本に行ってみたい、女性一人で大丈夫だろうか、という質問に対して「誰かと一緒の方がいい」のような返答が返ってきているものも見かける。
女性が子連れで行く、という時に「子供は安全だろうか」と不安になっている人もいる。


「今日は無礼講だ」のような考え方が日本にはあるが、無礼講の中の礼節、というものが非常になくなってきている、というのは私も個人的に日常生活で感じている。
それはいい面もあるが、悪い面もある。
そしてこれだけ他国の情報を簡単に調べられるようになった現在、海外から見ると「スポーツの後、あんなにクリーンに片づけていける日本人が、何故Chikanのような行為をするのか」というのは、非常に奇異に映っている。

 

日本人が、日本国内でやったことも海外で報道される。
それによって「日本」という国、または「日本人」が評価されることになるので、「これくらいいいじゃん」の考え方を見直す時に
来ているのではないだろうか。