氷河期初期世代おばはんの日々うらうら

就職氷河期初期世代のおばさんが時事問題に思ったりすることや、日々のあれこれ

ジェンダーギャップ問題が蓄積している中での、トランスジェンダー

LGBT関係で色々なところで火花が散っている。
先日のアベプラで女性の権利保護団体の人達が参加したことで、参加した人たちが集中砲火を浴びている。
「女は脅せば黙る」
と思っている人がこれだけ多い、という事だ。
3人の方々は、粛々と誹謗中傷ツイを集めて、開示請求してもらいたいと思う。(何ならお手伝いします)


そして私は、ちょっと違う角度からも??と思うことが出てきた。特に、トランスジェンダーTに関する事になる。

1.戸籍
現時点で、性別変更行った人の戸籍は、その人が既に単独戸籍の場合は父母との続柄欄が変わる。
単独戸籍でなかった場合は、単独戸籍として新しいものが作成される
そして、「従前の戸籍における他の兄弟等の父母との続柄欄は訂正されません」となっている。

ん・・・・ってことは、本人の戸籍では


〇郎 → 〇子
長男 → 長女

 

と変わり、でも親の戸籍には


〇月〇日 〇郎が〇×の長男として出生
って書かれたまま、ってことよね。


そして兄弟がいたとして、例えば弟がいても、弟は次男から長男に繰り上がるわけではなく、次男のまま。


えっと、これ、親兄弟の戸籍が変わっていなかったら、例えば親が亡くなった場合、相続の時には必ず「全相続人」での話し合いと公文書の作成が必要になるのだけど、この新しい「〇子」さんがその相続人にいるってことは、分かるのだろうか?
というのも、性別変更して戸籍が変わった人が、次に結婚したらその結婚後の戸籍のどこにも「かつて〇郎 長男」だった、という記載はなくなるんじゃないか?

 

それが分からないことには、全相続人での遺産分割協議書は作成できない
残った親族で〇郎を探す、という事になる。
遺産分割協議書に全員の実印押印が済むまでは、親の口座の凍結は解除されないし、遺産分割協議自体も永遠に続けられるものではなく、時限が決まっている。
・・・どうなるんだろう。

 


2.夫婦別姓
そして、名前も地方裁判所に届出出したら変更可能で(要件あり)、性別もこうして変えることが出来るとなったら・・・「選択的夫婦別姓はダメ」固執してる理由って、なくない??
今のところ固執してるのが「氏」だけどさ、その「氏」をなくさない理由として参議院があげてるのが、


(二)選択的だから別姓にしたい少数者の意思を尊重するために選択的夫婦別姓制度を導入してもいいのではないかという意見があるが、この制度を導入することは、一般大衆が持つ氏や婚姻に関する習慣、社会制度自体を危うくする。
別姓を望む者は、家族や親族という共同体を尊重することよりも個人の嗜好(しこう)や都合を優先する思想を持っているので、この制度を導入することにより、このような個人主義的な思想を持つ者を社会や政府が公認したようなことになる。
現在、家族や地域社会などの共同体の機能が損なわれ、けじめのないいい加減な結婚・離婚が増え、離婚率が上昇し、それを原因として、悲しい思いをする子供たちが増えている。
選択的夫婦別姓制度の導入により、共同体意識よりも個人的な都合を尊重する流れを社会に生み出し、一般大衆にとって、結果としてこのような社会の風潮を助長する働きをする。


が一番強いと思うんだけど、男性のママ、女性のパパが可能になった時点でもう、この上記の「けじめのないいい加減な結婚・離婚が増え」とか、「共同体意識よりも個人的な都合を尊重する流れを社会に生み出し」は確定してるんだから、意味なくないか?

 


そもそもが「選択的」なんだから、ミドルネームも使えるようにしたりするとかの対策もとれるし、親が子供に説明できればよくない?

キレイな言葉で言おうとしてるけど、カーダシアンもびっくりなスケスケ状態で「女が男の氏に入る(家に入る)ことで、家庭内奴隷労働しろ」って言ってるのが分かってるから、むしろこれ、事実婚増やしてるんじゃないか?(男性が姓を変えるムーブはまだ起きていない)
それなら、性別変更が出来るようになった時点で、もう選択的別姓始めても問題ないと思うのだけど。

 

3.賃金体系や昇進
残念ながら、日本ではまだ男女間で昇進のスピードも違えば、それに伴って給与水準も異なっている。
所謂マミートラックでなかなかフルタイムに戻れなかったりして女性が昇進できなかったり、そもそも退職せざるを得なくなることもある。

 

そこで例えば、40代半ばまで「男性」だった社員が「女性」になった場合、その人の賃金体系は男性をキープする事になってしまうのだろうか?
20代で女性が男性になったら、全く男性と同一の賃金体系になれるのか、それとも賃金体系のみ女性として据え置かれるのか?

 

これ、どっちも不幸なパターン(周りからの目も加えて)にならない??しかもこれはアウティングした場合のみだ。周りに言っていない状態で、しかも戸籍も「男」と書いてあったら、実は出生が女性であってもその人は男の給与体系に組み込まれることになる。それがバレたら・・・?生来女性で、低い賃金体系の人達はどう感じるだろうか?

 

私は、自分自身が4大卒だが就職氷河期にブチ当たったことから、転職歴も多いし、一度結婚していた時には専業主婦にならされた(姑に就業を禁止された)経緯もある。そこから、数少ない自分の武器をなるべく増やしていき、元々持っていた技能に磨きをかけ、何とか現状、正社員として生き残っている。
そんな私だからこそ、本来なら賃金体系は能力主義であるべきだと思っている。

マミートラックでフルタイムで存分に働けない、という時は夫婦どちらかがパートタイムにするなりして、手が離れたらまた、新しく就職活動して就業する。
男女共にその自由はあるべきだと思う。
別に男性がパートタイムで、家事育児をしていても問題はないだろう。産むところまでは女がやらざるを得ないが、その後は男性メインでも可能なはずだ。

 

そして、このトランスが絡んできた時に、


1.子供が2人いるが、もう呼び出しとかがある年齢ではないのでお子さんに関わることは有休の範囲内で対応可の40代女性。
2.同じ条件(前妻の子供を引き取った、とか、再婚時に連れ子がいる人と結婚した)で子供が2人いる、40代のトランス女性。

 

この2人が、例えば同じ会社で課長なり部長なりのポストを狙える立場にいた時に、「能力以外」で優越がつくことはないだろうか?
もしくは、この2人が一つの会社に転職しようとした時に、「能力以外」で不採用になることがないだろうか?

 

これが非常に気になるところだ。
SDGsとして好印象のデータになるから、トランス女性の方を、となったりしないか?

 

何しろ、実力はあるが「女性だから」で給料据え置きだったり、初任給からして男女で違いがあった状態をまだ日本社会は引きずっている。
それは、欧米と比べても明らかに女性の方が賃金レベルが低くなっている。地方自治体で統計をとったところ、低いところで40%、高いところでも男性の70%しか女性には支給されていない。
女性のフラストレーションはマグマのように煮えたぎっているわけだが、そこに「トランス女性」「トランス男性」が入ってくることによって、データをいじられてしまって、あたかも「日本もほぼ男女同じになりましたー」とされないか、または「トランスジェンダーの方を積極的に採用しております!」ということで、

男>女だったのが、

男>トランス女性(出生時男性)>トランス男性(出生時女性)>女性、

 

とならないか、ということを危惧してしまう。

 

これは、トランスジェンダーの人が悪いのでは決してない。
問題は、シス男性が自分が履いている高下駄の存在に気付かず、各種の利益、利得を独り占めしてきたことが問題なのだ。
しかし、ン十年にわたる女性の怒りは、トランスジェンダーを含んだ「自分以外の性」に向けられる。
この対立の構図や、トランスジェンダーの方々を「作為的に」使って、ジェンダーギャップ指数上がりました♪とやるのではないか、という事を私は個人的に危惧している。

 


最終的にどうなるか、を今までの政府の傾向から考えると、「トランスジェンダー問題も女性側スペース。女性は持ち前の心の広さ?で受入れてね」となりそうな気がするが、その時我々女性はどうするだろうか。
これだけ、何十年も痴漢や露出などのわいせつ犯を目にしてきて、今は自分の娘がその被害を受けている我々、そしていつまで経っても平等ナニソレ美味しいの?の世界に生き続けている私達は。