氷河期初期世代おばはんの日々うらうら

就職氷河期初期世代のおばさんが時事問題に思ったりすることや、日々のあれこれ

LGBTQへの道のりは遠い

5月に日本が議長国になる広島サミットを前に、どうもG7がしびれを切らしてきたらしい。
LGBTQ差別禁止法案に関して、日本だけが足踏みしたままだからだ。
そこに、「見るのも嫌だ」と言ってしまった元首相秘書官の発言や、岸田首相自身が「社会が変わってしまう」と言ってしまった事も重なり、「日本は一体どうなってるんだ」という感じでG7やEUはイライラ爆発寸前、に見える。


しかし日本人(特に女性で、私と同じような50歳前後の人)からすると、「いやいや、男女差別も半世紀経ってもまだ改善出来ていないのに、LGBTQは日本人には早すぎるよ。おじいちゃん議員ばっかりなんだから、理解できないって」とツッコミを入れたくなってしまう。
(諦め度が高いからなのか、わざわざ関西のお笑い系のように「早すぎるがな~~。おじいちゃんたち、分からへんのやから」とでも言ってみたくなってしまうのだ)


差別には色々あるが、日本で大きなものは男女差別(今ではLGBTQを含む性別差別)、部落差別障がい者差別、と色々ある。
また、ネットで散見されるものでは在日差別であるとか、最近では弱者男性差別(差別なのか?)もあるし、話題になったものでは地方差別(都会vs地方の構図)などもある。

 

かつては差別だったものが、段々と正常な形に戻っていっているものでは、例えばハンセン病患者への差別などもある。


部落差別(同和問題などは、私の年代では学校で取り上げられたこともあるが、子供のいる友人に聞いてみると、最近の小学校などでは取り上げないようなので、かなり改善されたのかもしれない。

 

在日差別(特に在日コリアンに関しては、ネット上では過激な事を言う人もいるが、知り合いなどで誰かがカミングアウトしても、「ああ、そうだったんだ。知らなかったよ」くらいになっている。(少なくとも私の周りでは)
個人的に残る気持ちとしては、在日コリアンの人は、海外旅行先でトラブルにあった時に駆け込むのは日本領事館なのだろうか、くらいだ。
(というのも、リアルで私にカミングアウトした人で、ハングルを話せる人がいなかったせいなのだが)
パスポートは確か韓国のものだった気がするので、ハングルを話せないと渡航先ではどうするんだろう、と思ったのだ。
まぁ、日本領事館、日本大使館でもおそらく対応はしてくれるのだと思うが。

 


こうして、改善していくものもあれば、停滞しているものもある。
また、今まで見えてこなかったものがクリアに見えてきたものもある。LGBTQなどはその代表なのかもしれない。

 


しかし、だ。
どーーーーーーーやってもどうしても、日本という国は「家」制度に係るもの、男女差異だったり、夫婦別姓だったり、同性婚だったり、そういうものだけは「石のごとく」動かしたくないんだなぁ・・・・・・と嘆息してしまう。

 


戸籍制度と合わないとか、日本の社会が変わってしまうとか、あれこれと言っているけれど、戸籍制度自体が住民票と戸籍謄本の紐付けがなかったり、戸籍謄本にも抄本と謄本があって手続きによってどちらを使うか違っていたり、果ては相続関係になると原戸籍が必要になったりと、現行の戸籍制度が「うまく機能している」とは全く思えない。

 

原戸籍とったら家系図のようにずらっと全て出るのかと言ったらそんなことはないし、ここからは戦争で焼失していますので、と遡るのも限界がある。
故人が、最後どこに本籍を置いていたかが分からず、あちこちの市役所などに問合せて、住民票の附表からやっとのことで本籍地を突き止めたりと、行政書士などに依頼しないとすごく大変なことになることもある。
しかも、戦争中に本籍を樺太に置いていたり台湾に置いていたり、とかなってくると、むかーーーーしむかしに「おじいちゃんはなぁ、戦争の前は樺太におったんや。そこで〇〇屋って着物屋があってな・・・」なんて子供の頃に語られたことから推理していくしかなかったりと、本当に大変だ。
(これは実際あったことなんだから、笑えない。私の血族の中には、いまだに「亡くなったのは分かっているが、死亡したのが戦時中か、終戦直後だったらしく、戸籍上おかしなことになってしまっている人もいる。)


世襲政治家の方々はまだそのあたりは引き継がれているから「今の戸籍でいいじゃん」と思っているのかもしれないが、例えば父方でずっと世襲をされている議員さん、母方の誰かの消息(祖母の叔母、とかそんな感じの人)を、ご自分で原戸籍まで戻って調べる、というのを一度やってみてほしい。「これ、使えないじゃん!!!!」となること必須だ。
あ、その時は秘書に丸投げはナシね。

 

と、上記の私個人の経験から考えると、「戸籍制度を守りたい」には、あまり意味がないような気がする。
そもそも日本の戸籍制度が上手く機能していないのだし、自民党の小野田議員が何かの答弁で言っていたように、「海外で生まれて二重国籍になっている人に、成人した時に送られてくるハズだった国籍を選んでね、の通知が廃止されてしまっている」とすると、二重国籍さえ把握できない国が、その戸籍制度にしがみつく理由はないと思ってしまう。


だとすると、おじいちゃん議員などがしがみついている「家制度」ってなんだろう。

もしかして、「俺は一家の大黒柱だから」とか、「男は男であるってだけで偉いんだ。俺の稼ぎで養ってやってるんだからな」とか、「どんなに時代が変わっても、女が嫁いできた以上、婚家がお前の家なんだから実家は忘れろ」とか、そんな事を大事にしたいのか・・・??
「お嫁さん」という名の奴隷を手に入れて、子を産ませて、家事育児介護を全部やらせて、ついでに「現代の嫁」ということでお金も稼いでこい、じゃないだろうな。


男が仕事から帰ってきたら台所に立ってご飯を作ったり、お皿洗いをしたり、洗濯物を畳んだりするのは「みっともない」。
そんなことをさせるくらいなら、新しい人間関係を作るために飲みに行ったり、先輩のケツもちをしたりした方がいい、とか思ってないよな?
そうやって「男は偉い」を、自分も、自分の息子も、男孫も続かせるために、「家制度ガーーーー!!!!」って言って・・・ないよね????

 


「日本で、歴史的にずーっと続いてきたこの家制度なるものを」って言いたいのなら、これ、明治時代からですから。
それなら、歴女が集まって薩摩藩から行進始めて、「家制度」って言った人にチェストして回っていいですかね?
そんなくっだらない、こんな短期間しか機能しなかった家制度なんてものにしがみつくんなら、幕末まで一度巻き戻しますけどいいですかね?
薩摩ホグワーツの魔法付きチェスト、薩摩イオニーが集まって、「パンをよこせ!!ミルクをよこせ!!!!」と、フランス革命ハンガリー独立運動を混ぜたようなことしていいですかね???


・・・・なんてことを考えていると、エリザベートが見たくなってきた。
DVD、確か持ってるから探してみようっと。