氷河期初期世代おばはんの日々うらうら

就職氷河期初期世代のおばさんが時事問題に思ったりすることや、日々のあれこれ

美少女アイコンで女叩きが趣味の彼

女叩きをしている人は、何を求めているのだろうか・・・

Twitterでも私のつぶやきを見てくれている人は分かると思うが、とあるTwitterミソジニーユーザーの発言に、私はたまに返信してしまう事もある。
(99%リプは来ない。彼は自論をズラズラと羅列しているだけで、それに対する問いには答えない)

 

この方は、「男女平等の立場から」と言いつつ、「男性の生きづらさ」「女性の生きやすさ」に関する情報を発信しています、とプロフに書いているが、男女平等の立場からならば、双方の生きづらさ、双方の生きやすさを上げていくのかと思いきや、思いっきり「いかに男は苦しくて、いかに女が楽をしているか」を書き連ねている。
既に男女平等の立場ではないのだが、ご本人は気付いているのかいないのか。

 

ちなみに、プロフアイコンは「可愛い女の子のイラスト」だが、中身は男性だ。
一度だけ、スペースで声を聞いたが、男性の声だった。ボイスチェンジャー独特のかすれやハウリもなしなので、あれが地声ならばほぼ確実に男性だろう。
なので、ここからは「彼」と書いていこう。


彼は、「生きづらさ」「生きやすさ」に関する情報と言いつつ、内容としては性に関する情報が殆どだ。
恋愛、パパ活、性的魅力、強者女性、弱者男性、男女の年収差、ルッキズム(化粧、ネイル、服装等女性のね)などなど・・・・
年収差などは性に関したものではない、と思われた方もいらっしゃるかと思うが、この年収差から彼は「女性は高収入男性だけをターゲットにする」と言った結論を導いている。
なので、年収差からいくらまでの物件なら首都圏で賃貸が借りることが出来る、とか、月額の食費の差、等という部分は全く見られていない。

 

「生きづらさ」「生きやすさ」は性の側面だけではなく、もっと手前にリアルに「食べていけるか」とか、「娯楽費として使えるような余裕がどれくらいあるか」とか、正規非正規の雇用の差から、手取りの中から年金やら健康保険やらを払うのか、それとも手取りから別途支払わなければいけないのか、という側面を見ないと「ある程度余裕をもって生きられる」「外食したり、旅行したりする費用は何とか捻出できる」とか、もしくは「食べるだけで精一杯」「貯蓄することは厳しい」などが分からないと思うのだが、彼はこうした「年収差」「出世比率」「雇用形態の比率」なども全て「性」に直結させる
そうすると、どのグラフを見ても導かれるのは「生きづらさ」などではなく、「ヤレるか」「ヤレないか」になる。

 

しかも、彼が見ているのは「性」なので、恋愛ですらない
恋愛という「人の感情」も入らなければ、その後の結婚の複雑さ、煩雑さ、出産(その前に女性の生理すら、彼には「生理って言えば女性は守られる」、という特権と見ているようだ)、パピートラックにマミートラック・・・・その全てが抜け落ちている。


最近の彼が見ているポイントとして、例としていくつかあげてみよう。

1.「理想的な相手との結婚」
これを、彼は男女に分けてグラフを用いて解析したようだが、彼の出した結論は、


・未婚者の年齢が上がるにつれて、「理想的な相手が見つかるまで結婚しなくてもよい」と答える割合が増えている


・特に女性は30代以降で急激に増加しているので、女性は男性よりも妥協しないことが原因で未婚につながっている

としたようだ。

 

が、これは実に当たり前のことだと私は思う。
男女問わず大卒が過半数になっていることも考えると、浪人・留年を除いて22歳で卒業。それから働き始めて、結婚願望が強い、もしくは熱愛の勢いで結婚したとして、それでも23~25歳。まぁ、30歳までは勢いで結婚、というのはあると思う。
しかし女性の場合、結婚の中には「出産」がまだ暗黙の了解として存在しているので、35歳から高齢出産となることを考えると、30代になってから結婚するとすぐさま1年様子見、2年目から妊活としてタイミング法やホルモン注射等が入ってくることを考えると、35歳までは既にカウントダウンになる。

妊活自体もそうだが、そこで一時キャリア中断で産休・育休の間に給与が減ることを考えると、自分+相手のこれまでの貯蓄額をはじめ、「子供は何人ほしくて、そうするとインターバル含めて何年かかるか」を考えなければいけない。

金銭的にそこがなんとか乗り越えられるかどうか、また妊活しても子供が出来なかったら、または自分は子供はいらない、相手は欲しい、のせめぎあいになった時に話し合いで落としどころがあるかどうか・・・・・

 

結婚するしない、子供を持つ持たない、もしくは持てない・・・それらの価値観が合う人とでないと、一生暮らすのは難しい。大体が、何とかすり合わせるしかないのだ。例え好き合って結婚したとしても。(そして妊娠・出産で女性が亡くなる可能性はゼロではない)

 

いや、簡単に「妥協」出来ないでしょ・・・。なんで分かんないかなぁ・・・。

 


2.「未婚男性への社会的配慮や支援」
彼は、女性が高収入男性を選ぶために、低収入の未婚男性が社会的に孤立している=未婚男性の自殺率が高い。
よって、社会全体で未婚男性を支援するべき、と訴えている。

私もちょっと調べてみたが、厚生労働省が出している平成26年(ちと古いな・・・)の自殺者数の構成割合を見ると、
男性: 総数として 有配偶者65%、 独身者34%、 不明1%
女性: 総数として 有配偶者74%、 独身者25%、 不明1%
となっている。

 

厚生労働省の他の資料を見てみても、未婚男性が特出しているわけではない。
むしろ、近年特出してきているのは、「離婚して独身になった男性の自殺率」だ
離別、または死別した後の男性の自殺率、もしくは孤独死率の高さは前々から言われていたが、その理由として出されているのは、

 

・年齢が上になるごとに、会社以外に帰属できるコミュニティがない
・最初から病気や寝たきりになった時に、妻に介護してもらえると思い込んでいる
・自活スキルがない(家事から始まって、病院の予約の仕方等、妻任せにしてきた)
・自分の子供との関係が築けていない
・自分から、新たにコミュニティに入って人間関係を築くのが困難

 

などが挙げられている。
これはかなり前から言われていることで、いまだに変化はないようだ。
NPO法人や地域の見回り隊(かつての民生委員のような感じ)が独居男性の家も回るようにしているようだが、効果はまだ見えていない。

厚生労働省にしろ、他団体にしろ、「独身男性の自殺者数」に関しての数字を見る時に注意しなければいけないのが、「独身男性」には生涯未婚、死別、離別が含まれているという事だ。
と考えると、社会全体で「男性だけに」支援をするのは、現状の下駄に加えて男性に更に下駄をはかせることになる。
社会全体で「男女問わず、独居の人にも手を差し伸べよう」が正解ではないだろうか。

 


3.「女性は性を換金できる」
彼は立ちんぼ、パパ活、アプリ、SNSで女性が性を換金しており、女性側が客を選んでコスパのよい売春をしている、これが「女性の生きやすさのインフレ現象」だとしている。

パパ活やおねだりに関しては、私自身、いいものだとは全く思っていない。むしろ反対だ。周りに「パパ活しよーっと」という人がいたら、必死で止めると思う。

 

しかし、立ちんぼ、アプリ、SNSでの女性からの売春に関しては複雑な部分があると考える。
「自分が好んでしている」「楽だからしている」場合と、「それしか手段がない」場合があるからだ。
コロナ禍、真っ先に仕事を失ったのは非正規やバイト、パートの人達だ。勿論、その中には男性もいるし女性もいる。
実家に帰ったり、シェアハウスに移ったりと何とか工夫して凌げる選択肢があった人はそちらを選んだと思うが、そもそもがギリギリの生活をしていた学生、シングルマザーなどがコロナ禍で仕事を失い、立ちんぼやSNS売春などで日銭を稼ぐようになったケースもある。
奨学金が返せないから、昼職は普通に働き、夜になると立つ、とか。

 

何しろ、日本は離婚後に養育費の支払から逃げる男が多すぎるのだ
シングルマザーのうち、3割弱しか養育費を受け取っていないという調査もある。(厚生労働省
公正証書を作り、弁護士に依頼し、裁判に持って行き・・・そこまでして離婚していても、養育費の支払義務から逃げる。
現在、やっとこれを「差し押さえ」や「債権回収」出来るように、という法整備が進み始めているが、子供がいても離婚する夫婦の中にはDVが関係するケースもあるので、「自分がどこにいるか知られたくない」「怖いから、もう関わりたくない」の気持ちが勝ってしまって、母親側が諦めてしまう場合もある。

この状態で、とにかく子供に食べさせようと、立ちんぼをする女性を止めることは出来るだろうか?
その日一日分として、1万円とかを渡して、「今日は、これで寝るところと食べるものは何とかなる?」という事は出来ても、翌日からもずっとお金を渡し続けられるほど、余裕がある人は殆どいないだろう。

 

そういった個々の「事情」を考えることもせず、「女性は性を換金できる」と言い切るのであれば、自分も換金してみればいいと思う。
どれだけ屈辱か。
ちなみに、欧米では養育費は給与から天引きになったり、未払いに関しては国が立て替えし、本人には払うまでパスポートを取り上げたりする措置を取っているところもある。

 

簡単に言うな、と私は言いたい。
そもそも、レイプで一番多いのは親族・知人間だ。
一対一だろうとなんだろうと、「殺される」と感じない女性はいないのではないだろうか。
動物だって、信頼している人にしかお腹は見せない。内臓がすぐそこにあるからだし、お腹の皮は薄い。簡単に引き裂かれる。
人間だって同じだ。
本能的な恐怖がそこにはある。
また、売春する少女の6割が、性被害を受けたサバイバーだという調査結果も存在している。そういった少女を保護するNPOの心理士などが言うには、「性被害サバイバーが売春をするのは、自傷行為を行う理由と似ている」という。

そうすると、そもそもが「痴漢、わいせつ、性犯罪」が多く、「女は若ければ若いほどいい」として少女をターゲットにする側の「需要」を阻止することが本来のステップなのかもしれない。
が、「需要」側はリアルな腕力や、権力(父親、義理の父親、学校の先生、塾の先生、上司等など)などを隠れ蓑にする。
そしてサバイバーが生まれる。
自分の感情を受け止めきれなくなった少女が、性を売る。
この悲しい連鎖は、一体何なんだ。「需要」こそをなくせばいいんじゃないのか。こんなに悲しいループはない気がする。


そんな気持ちを知りもせずに、「いいよねー、ヤレばお金稼げるんだもんね♪」というのなら、是非試してみてほしい。
歌舞伎町、市役所通りまでご案内します。

 

・・・と、こう書いてきたが、ツッコミどころが多すぎてもう疲れてしまった。(苦笑)
彼は、スペースで「自分が非モテで困っているわけではない」と言っていたが、どう見ても「自分からモテるためのアクションを起こすのは怖い。だから女性が上手くボクを誘導してよ。ママ+恋人ポジションで、ボクの我儘聞いてよ」として思えない。そんな甘えに応える人もいないだろうが、そもそも女叩きをしている限り、それを知った女性にモテないのは当たり前だ


別にワ―キャーとTwitterで喚きたいだけなのか、「そうだよな!!」と仲間が欲しいのか。
彼は「女は~~~~」と女叩きを毎日毎日、せっせせっせとやっているが、アイコンは美少女。しかもロリ系画風の美少女だ。
・・・「アナタがそういう女性になりたかった、ってことか?」と面と向かって聞いてみたいのだが、絶対に表には出てこないのだろうな。
日本国内でも世界でも、来いと言われればいつでも行きますがね。私は。