氷河期初期世代おばはんの日々うらうら

就職氷河期初期世代のおばさんが時事問題に思ったりすることや、日々のあれこれ

めんどい生理と、どう付き合うか

世界経済フォーラムが毎年発表しているジェンダーギャップ指数で、日本はまたランクを落とした。
世界125位。過去最低まで落ち込んだわけだが、まぁこれについては様々な方が色々書いているので、あえて現時点では何か書こうとは思わない。

ならなんでジェンダーギャップ指数の話を持ち出したかというと、ジェンダーギャップの話になると必ず出て来るし、また確かに考えなければいけないことなのだが、というのが「男という性別の特徴」「女という性別の特徴」、つまりは性差という女性の妊娠、出産、育児だ。


女性は一度ビジネスから離脱するんだから、男性より昇進しなくて当たり前、昇進できなくて当たり前、時短する人に大事なことは任せられないから、賃金低くて当たり前・・・・・などなどの、「性別」特性の話だ。


その中で、私はその「妊娠・出産・育児」の「前から後まで、およそ30年~40年続く生理」のことも、女性は働く時に工夫せざるを得なくなったりしていることを書いてみたい。
なかなか、赤裸々に言う人はいないかもしれないとも思うからだ。
なので、「働いている時」に私自身がしている工夫、また同僚がしている工夫などを書いてみたい。
勿論、私は産婦人科の医師でもないので、一般の「生理がある女」としてのコメントだ。

 

まず、生理がある期間は平均で、10歳~50歳と言われているので、なんと40年!!
娘さんがいるパパさんの中には、「え、まだ小学生じゃん!」と思ってしまう方もいるかもしれないが、大体は小学生のうちに初潮を迎える。
なのでランドセルを背負っている頃から、だ。

 

そこから、出産しようとしまいと、大体50歳前後まで生理はある。
なので、例えば大卒で就職して、ずっと働き続けていたとしたら、定年とか、そういうものが見えてきた頃まで、ずーーーっと女性には生理が来ているのだ。

周期が不規則な人もいるし、そういう時期もある。また、ストレスなどで来なくなってしまったりもする。
勿論、妊娠出産、授乳で生理がない期間もある。
だが、まぁざっくり言ってしまって40年間、毎月毎月付き合っているものなのである。


1.会社で生理用品を置く場所
会社によっては、フロア借り上げの場合や自社ビルの時には、女子トイレの中に小さなロッカーや棚があるところもある。
そこに生理用品を置いておけば、他の社員からは見られないので一番安心な方法だが、これが結構盗まれる。(苦笑)
突然来ちゃった、などの気持ちも分かるから、大体は後で見ると「ありがと」なんてポストイット付きでなくなった分が戻ってたり、物だけが買い足されていたりすることもある。
しかし、戻って来ない事もままある。
生理用品は使いやすいとか、かぶれにくいとか、快適なものになればなるほど高額になるので、最終的に「パクられた」後はちょっと(いや、かなり?)モヤっとする。

 

そういう保管場所がない時は、個人ロッカーなどがあればそこに、またはデスク下の引き出しなどの手もあるが、デスク下の引き出しは誰かがファイルを探しに来たりもするので、見られることもある。
40代も過ぎればもういいや、だが、10代~20代など、多感なお年頃の時には見られたくないので、そうすると結局は鞄に入れて持っておくしかない。

 

私は、ポーチだと逆にあからさまだしなーと思って、適当なサイズのフタ(備品を買った時などについてきて、これいいじゃん!と採用したやつ)に隠していたら、私が退勤後、ファイルを探しに来た上司がしっかり見てしまったらしい。
そんな、引き出しの奥の奥、一番奥にUSBやら書類なんて隠さないよぉ・・・

 

ちなみに、生理は大体1週間続くので、その間にかかる費用としては、大体ひと月2円~3千円くらいかと思う。(数種類のナプキン、タンポン、またショーツも定期的に買い替える必要があるので、金額をならしていったらこれくらいじゃないかと思う。ここで、出費を出し渋って、例えばタンポンを長時間入れっぱなしにしてしまったりすると、大丈夫な場合もあるが、最悪はトキシックショック症候群にかかる可能性がある。そこまで行かなくとも、衛生上、やはり同じナプキン、同じタンポンを長時間ずーーっと、というのは衛生的によろしくない。何しろ、血液が出ている状態なので粘膜も敏感、また、血液が出ているという事は何らかの菌やバクテリア、そういったものが増殖するという事にもなってしまう。なのでやはり頻繁に取り換えざるを得ないのだ)

 

2.トイレに行く頻度
トイレに行くのを監視してくるような上司もいるので、これもまた気を遣うポイントになってしまうのだが、生理1日目、2日目など、量が多い日は最低でも2時間に1度は取り換えに行きたい。
量は人によってもまちまちだが、個人的にも「今回は少ない(軽い)」「今回は多い(重い)」と、違いがある。
例え自分は軽い方、と思っていても、なんだこりゃ!となるような量が出る時もある。

そうなると、タンポンと併用していても1時間もてばいいかどうかになったり、仕事で電話を受けている最中に「げっ!出た!」と血の気が引くこともある。(生理で貧血ということではなくて)
まるで、水道の蛇口が開けたままになっているような感じで、とにかく止まらない


こういう時に会議がぶつかると悲惨だ。
だんだんと、会議の中身なんて頭に入らなくなってくる。頭の中は「どうか、外に漏れてませんように・・・!!!!」の一択になったりする。
重い時には生理用ショーツ、ガードル、ストッキングと三重にして、加えてナプキン+タンポンの重装備にしていても、それでも私は会議中に貫通してしまった事が恥ずかしながらある。
ジメっとしてきて、何だかそれがじわじわと広がる感覚になってくると、冷や汗ダラダラだ。(勿論、しっかり座る事は怖くてできなくなるので、空気椅子状態。だから余計に量が増えるのだが)
そこまで行ってしまったのはおそらく1回だけだが、その時は、やっとのことで長い会議が終わってからも全員会議室を出るまで立ち上がれず、あたかも急ぎのメールが来てしまったとか、そんな感じを装って時間差で立ち上がった。
案の定、会議室の椅子の上には赤いシミ。
黒のスーツ上下だったので服自体よりも、椅子のシミを何とかせねば、と、コソコソとウェットティッシュやら何やらでシミ抜きをした記憶がある。
それでもなかなか取れないわ、自席に戻らないといけないわで、結局その椅子だけ会議室から出し、ほぼ100%使われない会議室(狭すぎてみんな嫌っていた)に椅子を移動し、それも見えないようにあれこれと偽装工作をして、時間が取れるようになってからコンビニに走ってシミ抜きを買ってきて、あれこれと頑張って何とかほぼ目立たないようになった。

 

それ以降、どんな上役がいようが、顧客がいようが、私は「今日はヤバイ」という時にはあたかも用事があるように抜け出して、トイレに行くようにしている。


3.それは突然やってくる
人によってはほぼ生理周期はズレず、キチンキチンと来る人もいるが、そうではなくて周期が不確定な人もいる。
また、普段なら周期はズレない、という人でも、ある日突然「うっそぉ!」という感じで早く来てしまったりすることもある。

それがまだ、自宅や会社、または女友達の家、等だったら何とか対応可だったりするが、冷や汗を垂らしてこの窮地からどう脱出するか、になるのが、移動中(満員電車や長距離の移動)や仕事中、会議中、出張中等だ。
いざという時のためにナプキン1~2個を常に鞄に忍ばせている人も結構いると思うが、簡単にトイレに行けない状態だったりすると、その緊急時ナプキンを「つける」事が出来ない。
その間、あの「あ、出た」のような感覚と闘わなければいけない。
これがほんっとーーーーーに怖いのだ。
もう本当に、頭の中は「早く何とかしなくては!!!」という事しか考えられない。

特に生理は1日目、2日目、3日目の量が多いので、「うっそぉ」の時に限って、1日目から多かったりすると本当に青ざめる。
満員電車で腹部を押されたりすると、力が入ってしまうのでその瞬間にダバっと感じることも多々ある。
これは本当にストレスなのだ。
自分の体なんだから、いう事聞いてよ!!!と、自分で自分の体を呪ってしまう瞬間だ。


また、これが更年期となると本当に毎日がロシアンルーレットになってしまう。
3か月とか、半年とか来なかったから「これで終わりか?」と思ったら、突然やってくる。
またそれも、「え?これ生理?不正出血??」くらいの量で終わってしまった時もあれば、水道の蛇口状態でドバドバと出血する事もある。
タンポン+ナプキンでも1時間持つかどうか、のような時には、「いっそオムツしたい」と思うくらいだ。
当然、白っぽい服は着れない。
本当になんの前兆もなく始まるので、「もーー!!!終わるならいっそさっさと完全終了してくれ!」と思うくらいだ。


4.勿論、敵は血だけではない
上記3点は、経血、というものの量だったりそれが仕事をする時にどんなハプニングになるか、なのだが、勿論生理はそれだけではない。
生理痛、排卵痛、PMS、だるさ、集中力が途切れる、などなど、他にも様々な「不定愁訴」が襲ってくる。
それらがひどい人はとにかく婦人科に定期的に通院して、低用量ピルを使うとか、その時々で投薬、またはどうすれば改善されるのか、ということを医師と相談して、症状と付き合っていくしかない。
閉経するその時まで。


生理痛だけなら、今は奈良女子大の研究チームが「生理痛VR装置」を開発しており、indeedなどの就職支援企業などの男性職員が実際に体験してみているらしい。
また、YouTubeにも「男が生理を体験してみた!」と、彼女や女友達から、「これが生理の状態に近いかなぁ」とあれこれと知恵を絞って体験してみる動画なども上がっている。
生理+パンプスの二重の苦しみをやっていたYouTuberさんもいらして、「頑張ったなぁ」という感じだ。
そういうのを見てみるのも、男性陣には少し「こんな感じなのか」と分かってもらえるとっかかりになるのではないかとも思う。

 

と、こんな苦労、工夫をしてるんだよーと書いたが、私は別に「だから女を特別扱いしろ」と言いたいわけではない。
じゃあなんで、と思うかもしれないが、言いたいのは「女性はこういう苦労がある。男性は別の苦労があるだろうし、男女問わず、というか性別なんて関係なく、風邪気味になったり季節の変わり目で体が追い付かなかったり、家庭で育児していたり介護していたりでとにかく疲弊している、とか、そういう「絶好調」ではない時、はあるでしょー?」という事が言いたいのだ。

働いていれば、不調な時もあるし、年を取っていけば何かしらの持病を持つこともある。
そもそもが健康自慢じゃない人もいれば、若い頃風邪一つひいたことがない!というタイプの人が中年に差し掛かって突然アレコレと不調が出てきて、すごく慌ててしまったり、困惑してしまう事もあるだろう。


しかしそれが「生物」として当たり前なんだから、そこはみんなでうまい事回したり、チーム内で工夫したりすることで乗り越えようよ、と思うのだ。
外資に勤めていて私が一番本社勤務の人を羨ましいなぁ、と思うのは、私が勤めた会社ではことごとく、本社には「Sick leave」があり、それは有休とは別物だった。
「具合が悪かったらパフォーマンスが落ちるのだから、休みましょ」
というのが多いので、本社と連絡を取ってる時に私が調子悪そうな顔をしたりしていると、「なんか顔赤いけど、大丈夫なのか?風邪ひいてるんじゃないのか?」とか、コロナ禍では「熱あるんなら明日は休め!」と本社の同僚によく言われていた。
その度に日本では、Sick leaveと有休の違いはないから、休めないんだよーと説明している。
(Sick leaveに対して、給与が払われるかどうかは、国や企業自体の制度によって違うので、場合によっては無給になる場合もあるが、堂々と休めることに変わりはない)
このSick leaveの取り方を見ていると、確かに具合が悪いから休む、でも有休は減らない、これが一番なのではないかとも思う。
コロナ禍を契機として、「微熱があるからリモートします」というのも、本社では本人が決めて上長にOKをもらえばいいだけになっていた。

 

そして、日本でよく求められる「診断書」だが、診断書まで会社に突き付けるというのは本社の人達に聞いてもあまりないようだ。
それこそ、入院するとかにならないと不要。
「具合が悪いので休みます」
これだけでOK。診断書を持ってこい、というのは従業員を信頼していないことになるので、従業員が転職する契機を作ってしまう事にもなるし、国によっては、医療機関に診断書を依頼するのが非常に難しい場合もある。(時間も手間暇もかかる等)


と考えると、「Sick leave」(病休)という制度を機能させることで、風邪ひいた、どうもお腹の調子が悪い、生理痛、などなど、様々なものを含有出来るようになるので、「今日は体調悪いから、会社にとにかく行けばいいや」のような事もなくなると思うんだけどな。
生理痛等で休む時も、「生理休暇」と言ってしまうと、上司が部下の生理周期を把握して「これは嘘だろう」と言ったようなばからしいセクハラが起こりうる(実際、私も上司に生理周期を持ち出されて、じゃあどうやって証明するんだ!!ここでナプキン外して見せたろか、と思ったことがある。なので、人生で生理休暇を使ったのはおそらく1回か2回)状況も回避できる。

また、大事な点としては「女だけ優遇されてんじゃん」というばからしい認識もされずに済むという訳だ。


どうも、日本は女性専用車両にしても生理休暇にしても、「女性に」とか「女性のために」というのを毛嫌いする人がいるということは最近、非常に感じている。
「女だからって甘えるな」とか、「女にだけ認められているのは差別だ」と思うらしいが、どうもそういった性差を埋めるためのアクションを起こすには、男性も同じように持ち上げないといけないらしい。それがないと、バッシングの嵐になるか、「だから女はダメなんだ」という論に向かってしまう人がそれなりの割合でいるようだ。
(だとすると永遠にジェンダーギャップも埋まらないし、男性だけ幸福度が下がっている状況も改善されないとは思うのだが)


しかし、実際生理がある女性を、生理があってもうまく勤務し、能力を発揮させることが企業には必要な事だし、それが出来ないと
「じゃあ、生理いらない」=「子供産みません」になっていく可能性もある。
それならば、男女共に有益になる方法を探していかないと、またしてもフェミサイドのようなことが起こりかねないし、それこそ子供を狙った暴力が起こる可能性もある。
なのでこんな風に考えてみた、という事だ。


・・・それにしても、この更年期、何とかならんかよ・・・・(愚痴で〆るヤツです)